
韓国の自殺予防電話「109」に寄せられる相談が急増する一方で、実際に相談員とつながるのは全体の半数にも満たないことが明らかになった。
国会保健福祉委員会のペク・ヘリョン議員室が保健福祉省から受け取った資料によると、昨年「109」で応答した件数は18万2725件で、前年より49.3%増加した。相談は1日平均約500件という計算になる。2025年1〜8月も10万9340件に達し、通年では2024年と同水準になる見通しだ。
相談件数が急増した背景には、従来分散していた1393(自殺予防)、青少年電話、女性緊急電話などが2024年1月から「109」に統合されたことがある。しかし相談員不足により、実際につながったのは入電22万5024件の半分以下にとどまった。電話が取れない場合、地域の精神健康相談につなぐ仕組みだが、需要に追いつけていない。
保健福祉省によれば、相談は10分以内に終わるものではなく1時間近く続くこともあり、負担が大きいという。2025年の相談者のうち52%が自殺の心配を、23%が自殺計画を、22%が自殺未遂経験を告白した。1.8%については警察が緊急出動した。
韓国政府は10月から第2相談センターを開設し、現在100人の相談員を140人に増員する。またカカオトークやアプリ、SMSで相談できる「マドゥレン(心を聞いてくれるネット友達)」サービスも利用が広がっており、開通から1年で3万件を超える相談があった。相談員も2025年の40人から2026年は51人に増員される。
ペク議員は「自殺率は13年ぶりの高さで社会的災害と言える。統合相談需要の増加もその反映だ」と指摘し、相談員の拡充と質の向上を訴えた。
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