
新型コロナウイルス以降、韓国では美容業界で「予約制」が急速に浸透している。特にスタッフを雇わず1人で運営する“1人サロン”の増加により、効率的な営業スタイルが求められるようになったためだ。
しかしその一方で、高齢者にとっては新たな“壁”が生じている。スマートフォンやアプリに不慣れな高齢者層が、予約制へのアクセスに苦しむ“デジタル格差”の問題が浮かび上がっている。
男性カット専門店を運営するユンさん(58)は「コロナ前は予約制の店は少なかったが、人件費の問題で今は1人サロンが主流になり、予約制も増えている」と話す。
しかし、自身の店では90%以上が常連客であるため、今も予約なしで対応しているという。「小さな店まで予約制になると、年配のお客様は来にくくなる。最高齢の常連は96歳です」と語った。
一方で、若手の美容師たちは異口同音に「予約制は必要不可欠」と語る。
ソウルで1人サロンを運営するイさん(34)は「20〜40代のお客様は予約制を好む。“待たなくていいから便利”とよく言われる」とし、「スタッフがいないので、予約がないと運営できない」と話す。
同じく1人で美容室を切り盛りするハンさん(32)も「1日のスケジュール管理が難しいため、予約中心で動かざるを得ない。接客中に予約を受けるのも一苦労」と語る。
こうした現象について、デジタル機器に不慣れな高齢者層の“選択肢喪失”が進んでいると指摘する声もある。
成均館大学のパク・スンヒ社会福祉学科教授は「よく使われる『デジタル疎外』という言葉よりも、『新技術への不適応』『アクセス格差』と見るのが正確だ。技術革新のスピードについていけない層が自然に生まれており、美容室の予約制もその一環。便利な仕組みが、人と人が会う時間と空間を削ってしまう可能性がある」と懸念を示した。
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