来年創立100周年を控え、韓国の焼酎・ビール市場占有率とも1位を狙った「ハイト真露」の戦略に赤信号が灯っている。焼酎市場ではライバル会社であるロッテ七星飲料のゼロシュガー焼酎「セロ」の人気が上昇し、70%に迫っていたハイト真露のシェアの伸びが止まった。ビール市場では、新製品ケリーが登場し、OBビールカスが健闘し、日本ブランドのアサヒが家庭用市場で「缶生ビール」突風を起こすなど、競争が激化している。
ハイト真露に続き、焼酎市場2位のロッテ七星飲料は、昨年9月に発売したゼロシュガー焼酎「セロ」の人気に支えられ、4年ぶりに市場シェア20%台を回復した。セロは今年第3四半期の売り上げ327億ウォン(1ウォン=約0.1円)を記録し、四半期の最大値を更新した。今年第1~第3四半期の累積売り上げは927億ウォンで、年間総売り上げは1200億ウォン台が予想される。
ハイト真露は、2021年時点で約65%の占有率を誇り、焼酎市場では独走の1位。70%台の占有率達成も期待されたが、市場支配力が弱まった。食品産業統計情報(FIS)に掲載された今年第3四半期の焼酎小売店販売シェアを見ると、ハイト真露は59.7%で、昨年第3四半期(62.2%)に比べて2.5%ポイント下落した。飲食店などの非家庭用販売量を考慮しても、全体市場占有率は小幅で下落したとみられる。
11年ぶりにビール市場1位を奪還しようとする戦略にも支障が生じている。今年4月に発売したオールモルト(麦芽100%使用)ビールケリーは、初年度8%のシェアを達成して市場に定着したが、これによって主力ブランドであるテラの販売額が一部減った。自社製品同士の「食い合い」が起きてしまった。一方で、日本のアサヒブランドが開発した「缶生ビール」が、家庭用市場のシェアを大幅に引き上げた。缶のふたを空けると泡が出る生ビール製品だ。
マーケットリンクの統計によると、今年第3四半期のアサヒビールブランド小売店の販売額は841億ウォンで、前年同期比618%増加した。OBビールカス(4281億ウォン)、ハイト真露テラ(1206億ウォン)に次いで3位を記録した。
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