2025 年 6月 10日 (火)
ホーム社会韓国の消費性向、全世代で低下…20~30代は「使えず」、60代は「使わず」

韓国の消費性向、全世代で低下…20~30代は「使えず」、60代は「使わず」

2014年と2024年の平均消費性向の比較表=韓国商工会議所提供(c)news1

韓国商工会議所が6月1日に発表した「世代別消費性向の変化と示唆点」によると、2024年の全世代において平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の割合)が2014年に比べて低下していることが明らかになった。特に60代の消費性向の下落が最も大きく、一方で20~30代は可処分所得そのものが減少し、結果として消費支出も減少した。

2024年の平均消費性向は70.3%で、2014年の73.6%に比べて3.3ポイント下落した。30代以下を除くすべての世代で所得は増加していたが、消費支出はこれに比例して増えていなかった。

世代別で見ると、60代の平均消費性向は2014年の69.3%から2024年には62.4%へと7ポイント近くも低下した。さらに、20~30代の月平均消費額は2014年の257万ウォンから2024年には248万ウォンへと減少している。

韓国の産業研究院のシン・ドンハン博士は「住宅購入に伴う利子や各種税金などの非消費支出を除いた可処分所得に対して、消費支出に充てる割合が減少している。高齢化や所得の問題もあるが、節約志向の強まりという習慣の変化も大きな要因だ」と分析している。

消費の内訳も変化している。過去10年間で支出比率が最も増加した項目は、保健(7.2%→9.8%、+2.6ポイント)、娯楽・文化(5.4%→7.8%、+2.4ポイント)、外食・宿泊(13.7%→14.4%、+0.7ポイント)、住宅・水道(11.5%→12.2%、+0.7ポイント)の順だった。

この傾向は、高齢化に伴う医療ニーズの増加に加え、レジャーや趣味への支出拡大、価値消費(外食や旅行など)の普遍化が背景にある。特に保健分野では、美容目的の施術や診療も含まれており、「ウェルエイジング(well-ageing)」への関心の高まりがうかがえる。

一方、食料品・飲料(15.9%→13.6%、-2.3ポイント)、衣類・靴(6.4%→4.8%、-1.6ポイント)、教育(8.8%→7.9%、-0.9ポイント)など、伝統的な生活必需品や教育関連支出の割合は減少した。これは、単身世帯の増加や家庭用簡便食品の普及、オンラインプラットフォームによる効率的な購入、中古品・シェアリングエコノミーの拡大、さらには少子化による学生数の減少といった複合的な要因が影響しているとみられる。

年齢層別に見ると、若年層では外食・宿泊、住宅・水道への支出比率が拡大する一方で、高齢層では保健関連支出の比率が顕著に増加している。

30代以下では、食費(食料品・飲料)支出の比率が3.9ポイント減少した一方で、外食・宿泊と娯楽・文化の比率はいずれも3.1ポイント増加している。旅行、グルメ、デジタルコンテンツなどへの支出が日常化している「MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)」の消費傾向が反映された結果といえる。

40代では、ジムやシミュレーションゴルフなどの趣味・運動施設の利用が増え、自己満足型の消費が拡大している。50代は美容機器やホームインテリア、簡便食品などが主要な消費項目として台頭している。60代・70代以上では医療サービス以外に、趣味活動への支出が急増しており、観葉植物やペット関連サービス、成人向けの学習塾、運動施設、楽器などが支出増加項目として共通して挙げられた。

(c)news1

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