韓国産業通商資源省によると、5月のコンビニ売り上げ高は対前年同月比4.1%増だった。主要オフライン業者のうち、準大規模店舗(SSM)に続き、2番目に高かった。飲料・加工食品(5.1%)の売り上げが最も大きく増え、インスタント食品も2%増えた。
こうしたコンビニの成長は、SNS認証ショットの流行が背景にあるとの分析が出ている。MZ世代の消費者の間では、コンビニの新製品を購入し、認証ショットをSNSにアップする文化が流行し、活発な購買につながったという説明だ。コンビニ側も商品の企画段階から「写真を撮りたいビジュアル」を念頭に開発を進めているという。
代表的な商品が「クリームパン」だ。BGFリテールが運営する大手コンビニ「CU」の「延世牛乳クリームパン」は2022年1月に発売されるとSNSで「バンガルショット(半分に割って中身を見せる写真)」の流行で人気を集めた。
この商品は1月に累積販売個数5000万個を突破した。2022年に1900万個だったが昨年は3000万個と、対前年比57.9%増となった。
昨年はCU全体のデザートの売り上げも前年に比べ104.4%だったが、デザートの売り上げのうち延世牛乳クリームパンシリーズが占める割合は41%に達したと会社側は説明している。
ライバル会社のGSリテールが運営する「GS25」も、自社ブランド(PB)からクリームパンシリーズを発売している。2022年の牛乳生クリームパンを手始めに、現在6種を販売する。GSリテールによると、今年上半期までの累積販売個数は1800万個だ。
流通業界関係者は「最近はSNSを重視するしかない。味はもちろんパッケージ、形なども認証ショットを撮りたくなるように気を遣って商品を企画している」と話した。
逆にSNSで人気を集める商品をコンビニが取り込むこともある。GS25、CU、セブンイレブン、イーマート24は「ドバイチョコレート」を発売したか、もしくは今月中に発売を計画している。CUによると、6日に入った「ドバイスタイルチョコレート」は20万個が1日で売り切れた。
ドバイチョコレートはアラブ首長国連邦(UAE)ドバイにあるデザートメーカーが販売。チョコレートの中にピスタチオスプレッドと中東式麺の「カダイフ」を混ぜて作ったデザートで、「インフルエンサー」が映像をアップして人気を集めた。
今月末に発売を控えたGS25も自社アプリでドバイチョコレート4個入りセットの事前予約を受け付け、9分で完売した。
また「トンオイキンパプ」(キュウリのり巻き)も品切れを起こした。ユーチューブを通じて広まったこのキンパプは、具が一本のキュウリというのが特徴だ。
GS25は先月24~28日、自社アプリを通じて事前予約の形で1日1000本、計5000本を限定販売した。価格は1750ウォンで、販売期間中は1時間半~2時間で完売した。
GSリテール関係者は「キュウリは好き嫌いが分かれる食べ物なので正規商品として販売するより、面白い商品を紹介するという次元で予約販売を進めた。正式販売する計画はなく、2次事前予約の実施を検討中だ」と話した。
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