2025 年 9月 9日 (火)
ホーム政治韓国の“恐竜官庁”企画財政省が発足18年で解体…経済司令塔の「大手術」

韓国の“恐竜官庁”企画財政省が発足18年で解体…経済司令塔の「大手術」

政府世宗庁舎(c)news1

韓国の巨大官庁「企画財政省(企財省)」が発足18年で解体される。経済・金融政策を総括する「財政経済省」と、国家財政と予算を担当する「予算処」に分離されるのが柱だ。

2008年2月、当時のイ・ミョンバク(李明博)政権発足とともに発足した統合企財省以来の再編だ。政府と共に民主党は9月7日、高位党政協議会で政府組織法改正案を最終調整し、25日の国会本会議で処理する方針だ。成立すれば2026年1月に新体制が発足する。

改編案によれば、企財省の経済政策と税制機能に金融委員会の政策機能を統合し「財政経済省」を新設、金融委は監督のみを担う「金融監督委員会」となる。また、企財省の予算・財政機能は独立した「予算処」として国家財政運用と予算編成を担う。統計庁は「国家データ処」に格上げされ、国務総理(首相)直属に移管される。

韓国の経済・財政組織は1948年の財務省から始まり、1961年の経済企画院創設で分離が始まった。以後、政権交代のたびに統合と分離が繰り返された。1994年にはキム・ヨンサム(金泳三)政権が経済企画院と財務省を統合し「財政経済院」を発足させたが、1997年の通貨危機を防げなかったとして批判され、キム・デジュン(金大中)政権下で解体。予算庁と金融監督委員会が独立し、経済政策は「財政経済省」、予算は「企画予算処」と分かれた。

2008年、イ・ミョンバク政権が再び両組織を統合し、現在の企財省が誕生した。しかし、経済政策から予算、税制、国庫、公共機関管理までを掌握し「恐竜官庁」「スーパー甲」と批判を浴びてきた。こうした背景からイ・ジェミョン(李在明)大統領は大統領選公約で企財省改革を掲げていた。

今回の分離は、経済・金融政策の専門性と財政運営の独立性を同時に確保する狙いがある。一方で、経済副首相による政策調整力の低下や、大統領室の影響力拡大を懸念する声もある。過去の例でも省庁間の協調不足が非効率を生んだことから、新経済チームの協力体制が成否を握るとみられる。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular