新型コロナウイルス感染の影響を正面から受けた韓国のホテルやリゾート、モーテルも、昨年の下半期から右肩上がりの成果を見せている。今年は反騰する可能性が高いとされる。
広域市・道別の宿泊傾向を見ると、著しい取引額を記録したのは済州(チェジュ)島だ。飛行機に乗って移動するため海外旅行の代替地として夏のリゾート、新婚旅行先として根強い人気を博した。済州島は2019年と比較すると3倍以上の取引額を記録するほど、国内旅行客が集中した。
観光産業の活性化を推進していた慶尚北道(キョンサンプクド)地域の取引額も、昨年は227%増加した。浦項(ポハン)などの海岸沿いの地域の売上増加、また、内陸でのキャンピングやグランピングの需要が高まったことが重なり、急激な成長を見せた。
一方、ソウルや京畿道(キョンギド)の取引額は前年比10%台の成長にとどまった。首都圏や釜山(プサン)、大田(テジョン)などの広域圏の成長は振るわなかったようだ。都心の場合、ホテルを中心に需要が集中しているため、海外観光客減少のダメージからの完全回復は難しい。ただ、ホテル別プロモーションなど積極的な姿勢が続けば、今年は反騰が期待される。
昨年の市郡別傾向を見ると、やはり済州市や西帰浦(ソギィポ)市が大きな成長を遂げた。京畿道龍仁(ヨンイン)、慶尚北道慶州(キョンジュ)、浦項と永川(ヨンチョン)、忠清南道(チュンチョンナムド)保寧(ポリョン)、全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)などが2020年に比べて80~100%ほど増加し、地域の観光中心地として位置づけられた。一方で、京畿道楊平(ヤンピョン)、安山(アンザン)はむしろ低迷しているとみられる。
ホスピタリティテック企業「ONDA」データラップ長のキム・ギウク氏は「新型コロナのパンデミックが長期化し、2021年も航路を完全に開くことはできなかった。だが、国内旅行の活性化によって、地域観光や宿泊産業が発展していることはポジティブにとらえたい」と話す。さらに「プラットフォーム企業や地域に根差した国内観光産業の活性化に向けて、多様な戦略が登場している。今年は安全を第一に考えたうえでの宿泊産業の発展が期待できる」
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