
韓国の宅配市場がコロナ禍の水準を超え、過去最大規模に成長している。無料配達サービスの拡充や一人暮らし世帯の増加が後押しし、2025年の年間取引額は初めて40兆ウォン(約4兆4000億円)を突破する見通しとなった。
韓国統計庁の国家統計ポータル(KOSIS)によると、2025年1~11月のオンライン食品サービス(デリバリー)取引額は37兆6300億ウォンに達した。これは前年同期比12.3%増で、すでに2024年通年の取引額(36兆9000億ウォン)を上回った。
注目すべきは、ソーシャルディスタンスが取られていたパンデミック期よりも利用が増加している点だ。2020年比では148.5%増、2021年比では45.9%増となり、2023年に一時「デリバリー市場の成長鈍化」が懸念された時期(成長率2.3%)から一転、2桁成長(14.2%)を記録している。
韓国統計庁関係者は「配達アプリ間の競争激化により、無料配達などの特典が強化されたことで利用者が再び増加している」とし、「月平均取引額が3兆4000億ウォンに達していることから、年間40兆ウォン突破は確実」との見方を示した。
こうした成長の背景には、配達アプリ各社による積極的なマーケティングがある。「配達の民族(ペミン)」「クーパンイーツ」「ヨギヨ」など主要アプリは無料配達を前面に打ち出し、消費者の心理的ハードルを下げた。
調査会社ワイズアプリのデータでは、2025年10月時点の主要5アプリの月間アクティブユーザー数(MAU)は2705万人に達し、前年同月比4.2%増、2023年比では17.2%の増加を記録した。
また、科学技術情報通信省の調査によれば、利用者の55%が2つ以上の配達アプリを併用しており、3つ以上のアプリを使う層も15%に上った。
専門家は、こうした傾向は単なるブームではなく、外食産業そのものの構造変化を示すと指摘する。
仁荷大学のイ・ウニ教授(消費者学)は「エンデミック以降、一時は鈍化したデリバリー市場だが、1人世帯の増加や高齢層のデジタル適応力向上により、需要層が拡大している。外食文化がオフラインから宅配へと完全にシフトしつつある。当面、取引額の増加は続くだろう」との見方を示している。
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