
韓国の大学入試をめぐり、内申成績が中下位の高校生が進路・進学情報へのアクセスで大きな壁に直面している実態が明らかになった。
ソウル市教育庁教育研究情報院が3月11日に公表した現場研究報告書「中下位層学生のための進路・進学プログラム開発―学校単位の事例を中心に」によると、内申4等級以下の中下位層学生は全体の約70%を占める。それにもかかわらず、進路・進学プログラムや関連資料は首都圏の主要大学を中心に構成されているという。
研究チームは、多くの一般高校で読書討論、科学実験、分野別特別講義、国際交流などの進路支援プログラムが提供されていると指摘した。一方で「内容が高度で進路が明確な学生向けに設計されているため、進路が定まっていない学生や成績が低い学生にとっては参加のハードルが高い」と分析した。
進学関連の公式資料も上位層中心に構成されているとの指摘がある。研究によると、ソウル圏大学や国立拠点大学に関する情報は十分に提供されているが、中下位層学生が志望することの多い専門大学の情報は少ない。さらに地方私立大学については、ほとんど扱われていないという。
こうした状況は調査結果にも表れている。ソウル市江南区の高校で1・2年生の中下位層学生458人を対象に調査したところ、半数以上がソウル以外の大学や専門大学に関する情報を十分に得られていないと感じていた。
「情報が不足している」と答えた学生は47%、「全く知らない」は16%に達した。
産学連携型の「契約学科」や専門分野に特化した「特性化学科」に対する理解も乏しく、回答者の91%が具体的な内容を知らなかった。「名前だけ聞いたことがある」が60%、「知らない」が31%だった。
一方で、進学希望は首都圏に強く集中している。中下位層学生の約8割が首都圏の4年制大学への進学を希望しており、「ソウルの4年制大学」が72%、「首都圏の4年制大学」が13%を占めた。
しかし、内申成績を中心とする随時選考でこれらの大学に合格するのは容易ではなく、希望と現実の間には大きなギャップが生じている。
実際に同校の中下位層学生の随時入試結果(2021~2025年度)を分析すると、年間平均志願数は127.2件にとどまり、1人当たり最大6校まで出願できる制度を考えると出願自体が少ない水準だった。
5年間の平均合格率は28.9%で、2025年度は志願数が増えたにもかかわらず合格率は26.1%に低下した。研究チームは、ソウル所在大学への志願が過度に集中したことが背景にあるとみている。
こうしたギャップは進路相談の現場でも課題となっている。同校の教師の36%が「学生の希望と現実の差」を最大の困難として挙げ、27%は「進学情報の不足」を指摘した。
ソウル市教育庁教育研究情報院の関係者は「説明会を全体対象で開くと中上位大学中心の内容にならざるを得ないため、入試シーズンには進学指導動画などを別途制作している」と説明した。
そのうえで「インソウル大学だけでなく、国立拠点大学や地方私立大学など、中下位層学生が志願する大学まで含めた資料も作成している」と述べた。
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