
韓国政府は17日、基礎年金制度について、低所得の高齢者への給付を手厚くし、夫婦世帯に対する減額措置を段階的に廃止する方向で見直しを進める方針を明らかにした。2014年の制度導入以来、約12年ぶりの大幅な改編となる。
今回の見直しは、現行制度が所得水準にかかわらず一定額を支給する仕組みであるため、貧困層への支援効果が限定的との指摘が続いてきたことが背景にある。イ・ジェミョン(李在明)大統領は、所得の低い層により多く配分する「下厚上薄」の考え方を示し、老後の所得保障を強化する必要性を強調している。
政府が検討している改編案では、年金の増額分を低所得層に重点的に配分する一方、現在は夫婦がともに受給する場合にそれぞれの支給額が20%減額される仕組みについても見直す。まずは低所得層の夫婦を対象に減額率を引き下げ、将来的には制度そのものの廃止も視野に入れる。
韓国では高齢者の貧困率が依然として高く、2024年時点でも35.9%とOECD加盟国の中で最も高い水準にある。今回の制度改編により、貧困の緩和につながるとの期待がある一方で、国民年金との公平性が損なわれる可能性を懸念する声も出ている。
また、財源の確保も大きな課題となる。夫婦減額の廃止などを進めた場合、2030年までに最大で16兆ウォン(約1兆7040億円)規模の追加財政負担が発生すると見込まれている。高齢化の進行に伴い受給者数や支出も増加する中、制度の持続可能性と再分配機能の両立が今後の焦点となる。
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