韓国の医療機関で小児青少年科の崩壊速度が加速し、「子どもの患者押し付け」が現実になっている。特に、3次病院である上級総合病院(主に大学病院)で入院治療を受けなければならないほど重症または応急状況の小児患者が入院を拒否され、2次病院である児童病院に「逆に」押し付けられる事態が起きている。
大学病院の小児青少年科の教授らが相次いで退職し、専攻医になる「種」が乾きつつあるからだ。全国120カ所の小児病院は「本当は大学病院に入院しなければならない小児救急・重症患者が断られ、小児病院に運ばれてくるケースが絶えない。医療事故に対するリスクや医師の負担が大きいのに、何かあったら誰が補償してくれるだろうか」とため息をつく。
チェ・ヨンジェ大韓児童病院協会長は「ソウル・首都圏を除いては国立大学病院の小児救急・重症患者の医療システムが『機能不全』だ。ジュニアスタッフ(専攻医)がすべて辞めたからだ」と指摘した。
チェ会長は「地方の大学病院で働き盛りの若い小児青少年科の教授らが申し合わせたかのように相次いで辞めている。俗に言う『皮だけが残った状態』だ。国立大学病院の事情がこのような状態なので、救急・重症小児患者が児童病院に押し付けられている」と述べた。
実際、各地域の児童病院は悲鳴を上げている。ある児童病院長は次のように打ち明ける。
「受け入れ先がないので、119救急隊が最初から児童病院を探して搬送してくる。大学病院で小児患者を受け入れてくれないからだという。負担を強いられながらも使命感から小児患者を診ているが、とても怖くなる。このままだと、誰がどれだけの責任を負わなければならないのか、いろいろ考えさせられる」
また別の児童病院長は「使命感だけで頑張るのは難しい。119が児童病院に小児患者を搬送してくるが、どうすればいいのかわからない」と訴えた。生後16日、18日、1カ月の患児も大学病院で小児医療人材不足を理由に受け入れず、119救急隊が患者らを児童病院に搬送してくるケースも数え切れないほどだと。
この病院長は「小児病院は大学病院並みの施設を備えていない。小児患者を治療して容態が悪くなったり、間違った治療をしたりした場合は法的に保護されない。一生懸命治療したいが、このままでは私たちが重い負担を強いられることになる」と批判した。
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