
韓国の刑事司法制度改革は、重大犯罪捜査庁と公訴庁の設置法成立を受け、具体的な制度設計の段階に入った。焦点の一つとなっているのが、検察と特別司法警察(特司警)の関係再編だ。
韓国与党「共に民主党」は、特司警に対する検察の指揮・監督権を縮小し、「限定的な協力関係」に改める方針を検討している。これは特司警の要請があった場合に限り、検察が法的助言などを提供する程度に役割をとどめる内容だ。
当初の公訴庁法案には検察の指揮監督権が盛り込まれていたが、与党内の反発やイ・ジェミョン(李在明)大統領の意向により最終案から削除された。ただ、刑事訴訟法などには依然として検察の指揮権が残っており、制度の整合性を確保するためには法改正が不可避とされる。
現行の刑事訴訟法では、特司警は捜査において検察の指揮を受け、事件は速やかに送致する義務を負う。この規定が残れば、公訴庁発足後も検察が事実上の指揮権を維持する可能性がある。
一方で、検察や法曹界は権限の大幅な削減に懸念を示している。特司警は労働や環境など専門分野の行政職員が担う制度だが、刑事法の専門性が不足するケースも多いと指摘されている。
実際、2024年時点で特司警の約半数が経験1年未満であり、送致案件の起訴率も約45%にとどまる。こうした背景から、検察の関与が弱まれば「捜査の質の低下や空白が生じる」との懸念が根強い。
「共に民主党」側も完全な分離によるリスクは認識しており、今後の争点は「指揮権の廃止」そのものではなく、「どこまで協力関係を認めるか」という線引きになりそうだ。
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