韓国で昨年、中国人を対象にした健康保険給与財政収支が229億ウォン(約25億円)の赤字だったことがわかった。外国人全体では黒字で、中国人に対してのみ赤字が発生した。被扶養者の登録範囲が広く、居住条件がない点を悪用し、中国から入国した家族が医療だけ受けて出国した事例が多いためとみられる。
国民健康保険公団によると、最近5年間の国籍別の健康保険料賦課比給与費の現況を見ると▽中国▽ベトナム▽ウズベキスタン▽米国――など加入者数上位10カ国のうち、中国だけが赤字だ。つまり受け取った保険料に比べ、診療費の支出が多かった。
年度別にみると、2018年は中国国籍の健康保険加入者から受け取った保険料3766億ウォン(1ウォン=約0.1円)に対し、健康保険から出た療養給与費は5275億ウォンで1509億ウォンの赤字だった。2019年も987億ウォンで、その後は100億~200億ウォン台の赤字だった。
健保公団の関係者は「2019年7月に外国人の加入方式を任意から6カ月以上滞在する場合、強制加入に変更したことで財政収支が大幅に改善された」としながらも「被扶養者は入国後すぐに健康保険の恩恵を受けることができるため、中国国籍者の場合は赤字が発生するとみられる」と説明した。
これを防止するため、外国人被扶養者も健康保険適用のためには6カ月以上国内に居住することが必要とする法案が発議されたが、まだ国会本会議に上程されていない。
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