
韓国金融当局が「非居住1住宅所有者」に対する追加規制を検討していることが分かり、不動産市場で波紋が広がっている。実際に住んでいない住宅を保有する人の投機的投資を抑える狙いだが、転勤などでやむを得ず家を空けている実需層への影響を懸念する声も出ている。
例えば、ソウル市道峰区に新居を購入した30代の会社員は、地方への転勤に伴い家族とともに地方でチョンセ(保証金賃貸)暮らしをしている。仕事の都合で住宅を空けているだけだが、非居住1住宅規制の議論が進む中、自身も対象になるのではないかと不安を感じているという。
金融当局は現在、非居住1住宅所有者に関する対策の検討を進めている。実際に住まない住宅を利用した「ギャップ投資」(チョンセ付き住宅購入)需要を抑え、市場に売却物件を増やすことで住宅価格の安定を目指す考えだ。
金融業界によると、まず1住宅所有者がソウルや首都圏でチョンセ融資を利用する場合、公的保証の対象外とする案が取り沙汰されている。公的保証を制限することで、事実上チョンセ融資の利用を難しくする狙いだ。
また投機性があると判断された場合、融資更新時に新規融資と同水準の厳格な審査を適用する可能性もある。住宅ローン延長の際にも、実際に居住しているかどうかを確認する方式が検討されていると伝えられている。
税制面でも制度見直しの可能性がある。高額住宅の保有税負担を増やしたり、譲渡所得税の長期保有特別控除を調整したりする案などが議論の対象だ。当局は住宅数や価格など複数の条件を踏まえ、制度改編の必要性を判断する方針だ。
こうした議論の背景には、イ・ジェミョン(李在明)大統領の発言がある。イ・ジェミョン大統領は2月26日、SNS「X」で「政策手段を総動員し、多住宅所有者だけでなく投資・投機目的の1住宅所有者も、保有より売却が有利な状況をつくる」と述べ、追加対策の可能性を示唆した。
政府は非居住1住宅対策を通じて、投機性の強いギャップ投資を根本的に遮断する考えだ。ここ数年、地方投資家がチョンセを利用してソウルや首都圏のマンションに投資するケースが続いていたことへの対応でもある。またチョンセ融資を利用した住宅の買い替え需要も抑制できると見ている。
ただ政策実施の過程で「善意の被害者」が出る可能性も指摘される。転勤や子どもの教育、親の介護などやむを得ない理由で非居住となっている1住宅所有者まで対象に含まれる恐れがあるためだ。
こうした副作用を考慮し、政府は例外規定も検討している。やむを得ずチョンセ居住が必要な場合、融資限度額2億ウォン(約2200万円)を維持する案が有力とされる。
しかし投機かどうかを判断する基準が曖昧という問題が残る。金融機関が個別に判断する必要があるため、現場で混乱が生じる可能性もある。
専門家は「投機需要の基準と不可避な例外規定を細かく設計する必要があるが、その基準作り自体が難しい」と指摘する。
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