
韓国・全羅南道麗水で2025年10月に発生した生後4カ月の乳児死亡事件について、医学的助言を担った龍仁セブランス病院小児青少年科のイ・ジェヒョン教授が、事件資料を確認した際の衝撃と怒りを明かした。発言は6日、YouTubeチャンネル「酸素兄弟TV」に公開された「『それが知りたい』4カ月乳児死亡事件インタビュー、その後の話」と題する動画で語られたものだ。
イ・ジェヒョン教授は医療記録を確認した際の印象について「最初に『この子を救うのは難しいだろう』と思った」と述べた。頭部、胸部、腹部など全身に損傷があり、骨折は23カ所に及んでいたという。「どこ一つ無事な場所がなかった。状況そのものがあまりにも悲惨だった」と振り返る。一方で、記録を読み進めるうちに、多くの医療スタッフが救命のため必死に対応した様子も伝わってきたといい、「医療記録は子どもの血と医療スタッフの汗で濡れているように感じた」と語った。
その後、事件当時の家庭用カメラ映像も確認した。イ・ジェヒョン教授は「本当は見たくなかった映像だが、一つずつ再生した」とし、最初に虐待の場面を目にした瞬間、「AIではないのか、嘘ではないのか、人間がこんなことをするのかと思った」と語る。映像を見続けるうち怒りが込み上げ、「画面の中に入ってこの子を助けたいと思った」と明かした。
映像には、ぼやけた画面越しに助けを求めるような子どもの泣き声や目の様子が映っていたという。「吐き気がするような行為で、資料を確認しながら何度も作業を中断した。今でも涙が出る」と語り、検証作業の過程で激しい精神的苦痛を受けたことを明かした。小児科医として10年以上多くの重症例を見てきたが、「治療のための現場ではなく、誰かが小さな命に信じがたい危害を加える場面を見るのは初めてで、本当に衝撃だった」と話し、数日間ほとんど眠れなかったという。
さらに、テレビ番組では最も残酷な場面は放送されていないと説明し、「実際にはさらに深刻で残酷な映像が多く、編集された部分もある」と指摘した。
検察によると、乳児の実母は2025年10月22日、麗水市の自宅で生後4カ月の息子をベビーバスに放置して死亡させたとして起訴された。母親は理学療法士であり、児童虐待の通報義務者でもある。イ・ジェヒョン教授は「子どもを守る立場の人が虐待を犯したのなら、より重い処罰が必要だ」と強く批判した。
また母親は裁判で「子どもを救うため最善を尽くした」と主張しているが、イ・ジェヒョン教授は「子どもが息を引き取りかけている状況で、専門的でもなく理解できない行動をしている」と指摘し、主張に強い疑問を呈した。
この事件では、夫も妻の虐待を知りながら放置したうえ、証言を覆させる目的で参考人を脅迫した疑いで起訴されている。論告求刑公判は今月26日に開かれる。
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