韓国で出版市場が飽和状態に陥るなか、多様な広報のやり方で新たな活路を探す出版社が次々と現れている。ニュースレターやポッドキャストなどでマーケティングを試みる中小の出版社も。大型出版社のSNS広報とユーチューブコンテンツに追いつけない小規模出版社が、読者獲得のため選択した方法といえる。
◇読者に定期的にメール
出版社が新規プロジェクトで多用するのは「ニュースレター」だ。購読を申請した読者に定期的にメールするので「直通マーケティングできる」という利点がある。
ウィズダムハウスは昨年11月、短編小説を毎週公開する「ウィークリーフィクション」プロジェクトを開始した。同時にニュースレターを発行し、編集者らが製作の裏話や背景、出版社での生活を伝えている。
関係者は「ホームページに連載するだけではなく、その便りを知らせるプラットフォームが必要だった。読者と交流できる方法を考え抜いた末、ニュースレターにたどり着いた」と振り返る。
最大の利点は費用がかからないこと。多数の出版社が利用する電子メールニュースレターサービス「スティビー」は初期費用が0ウォンだ。ただ、出版社関係者は「編集者がニュースレターを作成して送るので業務量が増えた。簡単ではないが、広報費用が節減され、読者の反応も良い。内部的には肯定的に評価している」と明らかにした。
◇読者のフィードバック
もう一つの利点は、読者のフィードバックを直接受けることができるという点だ。
出版社「ヨルムウォン」は先月創刊したウェブマガジン「リム」の広報のため、最近ニュースレターの発行を始めた。ウェブマガジンを担当する編集者が直接、連載・完結する作品のニュースを伝え、読者の感想を聞く。
ヨルムウォンは「ウェブマガジンの掲載作品について読者が意見を交わし、感想を共有できるコミュニティとして運営したい」と伝えた。「文学トンネ」出版グループの「インプリント出版社」(有能な編集者らに個別のサブブランドを出し、企画・制作・販売など独自の運営を任せる方法)である「イヤギチャンス」は「イヤギチャンスポタリ」というポッドキャストを作り、第1話を公開した。17年目の編集者であるイ・ヨンシル代表と1年目のマーケターとの対話形式で進む録音放送だ。
マーケターは「ユーチューブで広報するのが一番だが、出版社の規模を考えた時、負担が少ない方法を選ぶべきだと思った。そのため、本が好きな人が多く訪れ、少人数で制作できるポッドキャストを選択した」と説明した。
(c)NEWSIS