ピザハットをはじめとするピザフランチャイズが、収益性の悪化に苦しんでいる。ピザフランチャイズが危機的状況に追い込まれている原因として、消費者を引き付ける「魅力の欠如」が指摘されている。
韓国ピザハットは昨年、連結基準で45億ウォン(約4億9680万円)の赤字を計上。先月、企業再生手続き(法定管理)を申請し、自主的な構造調整を進めている。さらに、加盟店主らから提起された差額ロイヤリティー訴訟で一部敗訴し、210億ウォン(約23億1840万円)の賠償を命じられる事態に陥っている。
ピザアルボロを運営するアルボロFNCは昨年、営業損失29億ウォン(約3億2016万円)を記録。同様に、ミスターピザを運営するデサンF&Bも16億ウォン(約1億7664万円)の赤字を出している。
また、韓国パパジョンズは昨年、売り上げ681億ウォン(約75億2284万円)と営業利益42億ウォン(約4億6368万円)を記録し黒字を維持したものの、営業利益は前年に比べ13%減少しており、収益性は悪化している。
ピザフランチャイズが消費者から敬遠される主な理由として、チキンなど他の外食メニューよりも高価格である点が挙げられる。
デリバリーアプリでの13日現在の価格を見ると、ピザハットやミスターピザの単品メニューは3万ウォン(約3312円)を超える。チキンに比べると1万ウォン(約1104円)以上高い場合も多い。業界関係者は「ピザの価格自体は大幅に値上がりしていないが、もともと高い価格設定が消費者にとって負担に感じられている」と分析する。
消費パターンの変化も問題視されている。1人暮らし世帯の増加などにより、小容量の食品を好む消費者が増え、ピザが現在の消費パターンに合わないとの指摘もある。別の業界関係者は「各社が1人用ピザや小型サイズの商品を展開してはいるものの、まだ市場全体での普及は進んでいない」と述べた。
さらに、冷凍ピザなどの安価な代替品が市場を拡大している。グローバル市場調査機関「ユーロモニター」によると、国内の冷凍ピザ市場規模は2019年の900億ウォン(約99億3600万円)から昨年には1685億ウォン(約185億9652万円)に成長しており、5年間で約87%増加したと推定されている。
フランチャイズ店舗数も減少傾向にある。公正取引委員会のフランチャイズ取引情報公開書によると、ピザハットの店舗数は2021年に403店だったが、昨年は359店と44店減少。ミスターピザも2020年の238店から2022年には184店と54店減少している。
このため、ピザフランチャイズ各社は小型ピザの発売や割引イベントなど、さまざまな方法で消費者を引きつけようとしている。
例えば、ミスターピザは新規会員登録時に20%の割引を提供し、テイクアウトでは30%の割引を実施している。ピザハットはテイクアウトで1万ウォン(約1104円)、サイトでのデリバリー注文では8000ウォン(約883円)の割引イベントを展開している。
価格を抑えた製品も販売中だ。ミスターピザは1人用ピザを新たに発売し、ドミノピザはラージサイズを1万5900ウォン(約1756円)、シングルサイズを6900ウォン(約762円)で提供する「ハッピーデイリーピザ」を販売している。
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