
韓国でバス運輸労働者の休息時間を保障するよう「旅客自動車運輸事業法」(旅客自動車法)施行規則が制定されてから5年近く経った。だが、依然として休憩時間の保障を要求する運転手の声が高い。休憩時間が交通渋滞など状況変化を全く反映できずにいるためだ。
専門家は休憩時間の不足が大きな事故につながる可能性が高いだけに、対策作りが必要だと強調した。
旅客自動車法施行規則によると、市内バス運輸従事者は起点から終点まで1回の運行終了後、10分以上の休憩時間を保障されなければならない。運行時間が2時間以上の場合は15分、4時間以上の場合は30分以上の休憩時間を守らなければならない。この施行規則は2018年2月に新設された。
ソウル市によると、市内バスの路線当たりの平均運行時間は2時間前後だ。平均して15分の休憩時間が与えられるが、一部の運転手は車を整備して休憩するのに十分ではない時間だと主張する。市内バス運転手は「トイレにも行けず、運行途中に乗客に了解を得て急いでトイレを済ませたことがある。一部の乗客が不満をもらすと悲しくなる」と話した。
この休憩時間さえもまともに守られていない場合が日常茶飯事だ。休憩時間は予想運行時間を基準に策定されるが、交通事情で予想運行時間を越えれば休む暇もなく、すぐ次の運行を始めなければならないためだ。
高麗(コリョ)大労働専門大学院のキム・ソンヒ教授は「人員を補充する方式でなければ事実上休息時間を守ることが難しい実情。交通状況などにより運行時間が伸びた場合、休息時間をきちんと保障できるようにするなどの制度改善が必要だ」と話した。
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