
韓国のスポーツ選手が平均23歳という若さで現役を退きながらも、10人に4人は無職状態にとどまるなど、引退後の進路空白が深刻な社会問題となっている。特に女性選手は出産・育児負担に加え、スポーツ界に根強く残る性差別構造が重なり“三重苦”の状況に置かれている。
与党「共に民主党」のチョ・ゲウォン議員が大韓体育会から受け取った資料によると、韓国の選手の平均引退年齢は23.6歳。早期に競技を離れた後、十分な進路準備ができず困難を抱えるケースが多い。引退後もスポーツ関連職に就いた割合は全体の約4割にとどまった。
引退後に直面する最大の問題は「進路準備不足」(49%)で、「情報不足」(20%)がこれに続いた。進路選択が難しい理由としても「何をすればよいか分からない」(42.8%)、「職業・進路情報がない」(26.3%)が挙げられている。
また、体育人進路支援センターに登録した人のうち、実際に新たな進路へ転換できた割合は20%にも満たなかった。
女性の元選手の状況はさらに厳しい。引退後に体育関連分野で働く割合は男性の65.7%に対し、女性は58.1%。月収300万ウォン未満の割合も男性74.1%、女性85.1%と差が開いた。
女性指導者(監督・コーチ)の比率は16.4%にとどまり、女性役員の割合も5年連続で30%を超えられていない。いわゆる「ガラスの天井」が依然として体育界に存在する。
チョ議員は「平均23歳で引退する若いスポーツ人の4割が無職である現実は、個人の問題ではなく社会が放置してきた構造的問題だ」と指摘し、「特に女性選手は進路準備の遅れに加え、出産・育児と性差別文化という三重の壁に苦しんでいる」と訴えた。
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