韓国のサービスロボット企業「XYZ」がソウル・聖水洞(ソンスドン)で「ロボットフレンドリービル」の研究に取り組んでいる。ロボットによるビル内の自動化を目指したさまざまな実証を進め、産業人材の育成を目指した教育空間も整えた。
XYZは創立5周年を迎え、今年6月に聖水CFタワーへ事務所を移転した。同社はバリスタロボットからスタートし、サービスロボット市場で確立した地位を基に、今後はロボットビルソリューションの研究をさらに推進する。
まず、事務所の建物1階に無人ロボットカフェ「ラウンジエックス24時 聖水店」をオープンした。ラウンジエックスが路面商業地区に進出するのはこれが初めてだ。バリスタチャンピオンの技術を適用したロボット「バリス」が24時間稼働している。
この店舗は最初からロボットカフェ用に設計されており、店内に入ると店員はおらず、ロボットが注文を受ける。スマートフォンアプリやその場で飲み物を注文すると、45秒で飲み物を作り、スマートピックアップゾーンに置く。アプリでの事前注文システムも新たに導入された。
開放感のある空間も特徴的だ。正面の窓が聖水洞の街並みに向けて大きく開いており、その向こうで動くロボットバリスタが目を引く。人とロボットの相互作用(HRI)技術を適用し、仕切りがなくても安全な点が強調されている。
XYZはこのビルで、自律走行ロボット「ストレージ」を活用した多層輸送技術の実証も進める予定だ。ビル内でアプリを使ってコーヒーを注文すると、バリスタロボットがコーヒーを作り、それを自律走行ロボットが受け取り、注文者の席まで配達するシステムだ。
地下には「XYZアカデミー」が設けられた。ロボット産業人材の確保を目指す教育プログラムが実施される場所で、7月からIT専門教育機関である「アドインエデュ」と協力して講義を始めた。1階にはパートナー企業「コードステーツ」の教育センターも設置されている。
XYZの事務所は7階にあり、ロボットソリューション研究所と複数のミーティングルーム、ラウンジが備えられている。自律走行ロボットが軽食を補充し、事務所内を巡回している。
XYZは、聖水CFタワーをさらに先進的なロボットビルにする計画で、巡回ロボットやAI監視カメラなど、さまざまな技術をこの場所で実現していく。
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