
韓国では国民の97%以上がインターネットを利用するなど、デジタル環境に大きく依存しているが、オンラインのセキュリティや個人情報保護に対する認識は低い――「ノードセキュリティ(Nord Security)」のマリユス・ブリエディス最高技術責任者(CTO)は5日、ソウルで開催された記者会見でこう述べ、今年韓国を主要ターゲットとして本格的な市場攻略に乗り出すと語った。
ブリエディス氏が公開したクッキー流出調査の結果によると、韓国は244カ国の中で30位で、サイバー攻撃に相当程度さらされていることがわかった。国内で流出したクッキーの数は1億8600万件に達し、そのうち33%が依然として有効な状態だった。
さらに、悪意のあるソフトウェアによって流出し、ダークウェブ上で公開されたクレジットカード情報は60万件以上に上ると警告した。
こうした流出データは、AIを利用したフィッシング攻撃やランサムウェア攻撃に悪用されることで、個人および企業のセキュリティ対策がより重要な課題となっている。
だが、韓国のユーザーのセキュリティ意識は他国と比べて著しく低いことが判明した。調査回答者の約40%は仮想プライベートネットワーク(VPN)の概念すら知らず、VPNを単に海外のコンテンツにアクセスするためのツールと誤解しているケースも多かった。
特に、公衆Wi-Fi利用時のセキュリティリスクが高まっているにもかかわらず、それを防ぐための対策が不十分であることがわかった。カフェ、空港、ホテルなどで無料Wi-Fiを利用する機会が多いにもかかわらず、これに対する危機意識が相対的に低いということだ。
ブリエディス氏は「サイバー脅威が継続的に増加しているにもかかわらず、韓国ではVPNなどのセキュリティソリューションの利用率が低い。VPNを含むサイバーセキュリティソリューションを積極的に活用すべきだ」と強調した。
このため、NordVPNは韓国市場を今年の主要戦略市場に選定し、「Threat Prevention Pro(脅威防止プロ)」「Dark Web Monitor(ダークウェブモニター)」「Meshnet(メッシュネット)」「Dedicated IP(専用IP)」などのセキュリティソリューションの提供を強化する。
「脅威防止プロ」は、ウェブブラウザ上のマルウェアやフィッシングサイトを自動でブロックし、「ダークウェブモニター」はユーザーのアカウント情報がダークウェブ上に流出しているかを検知する。
「専用IP」は、共用のVPNサーバーではなく、個別の専用IPを利用することで、より安全なセキュリティ環境を構築できるようにサポートし、「メッシュネット」は、個人や企業のユーザーがVPNなしでも安全にデバイス間を接続できる環境を提供する。
ブリエディス氏は「インターネット利用が日常化している韓国において、セキュリティ意識の向上はもはや選択ではなく必須事項だ。VPNのような必須のセキュリティツールを活用することが、サイバー脅威から安全なデジタル環境を構築するうえで、これまで以上に重要になる」と強調した。
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