
ロシアのウクライナ侵攻でドローンが重要な武器として登場し、ゲームチェンジャーとして注目される。韓国でも2020年からドローン産業を国家戦略産業として位置付け、投資を進めてきた。しかし、応用産業に重点が置かれてきた結果、先端技術や部品、ソフトウェアにおいて自主技術が乏しい状態にある。深刻な海外依存をいかに克服するかが課題だ。
K-ドローンの核心部品は大半が中国製で、モーター、バッテリー、プロペラなどはほとんどが中国から輸入されている。通信機器は中国またはカナダ製、カメラは安価なものが中国製、高価なものがイスラエル製だ。ドローンの頭脳に相当するコントローラーはスイスの技術をもとに中国や香港で製造されている。韓国産業界は中国製品の低価格攻勢により、市場参入の余地がなかった。
韓国政府はこうした状況を打開すべく、「K-ドローン機体供給網イニシアチブ」を6月発足させた。AIを搭載した次世代ドローンを中心に、核心部品の国産化と自主技術エコシステムの構築を目指している。
宇宙航空庁のジョン・リー任務本部長は「ドローンは国民の安全と産業を支える重要な装備だが、韓国のドローン産業は初歩段階にあり、外部依存が高い」と述べた。国内で流通する小型ドローンの核心部品の90%以上が中国製という分析もある。
専門家は「ドローン技術の自立に向けたロードマップの早急な策定が必要」と強調する。米国や欧州ではすでに政府と産業界が手を組み、大規模なドローンの量産体制を構築しつつある。フランスでは自動車メーカーのルノーが軍用ドローンの生産ライン構築を検討している。
韓国でも2026年までに大規模な「K-ドローン任務中心プロジェクト」が計画されており、省庁横断型の協力体制が本格化する。
専門家は「すべての部品を国産化するのではなく、戦略的な選択と集中による国産化が重要」と語る。特に現在中国依存の高いモーター、バッテリー、コントローラーなどが国産化の優先対象となる。国産部品であっても輸出競争力を高めるには、柔軟な制度設計が必要であり、相手国の調達要件に対応できるようにしなければならない。
また、公共需要を活用して最新技術の迅速な導入を可能にする制度改善も求められている。防衛事業庁は「技術進化のスピードに制度が追いついていなかった」と認めており、「迅速調達制度」「統合需要制度」などを整備中だ。
「K-ドローンイニシアチブ」では、特にAIドローンの開発に注力していく。AIドローンは自律飛行だけでなく、周辺物体を正確に識別する能力を持つ。米パランティアが提供するAI技術により、ウクライナ軍のドローン攻撃の精度が向上した事例が注目されている。
韓国航空宇宙研究院の無人移動体源泉技術開発事業団長、カン・ワング氏は「高性能なAIドローンを開発できる技術と生産能力は既に備わっており、各分野が協力し合うことで相乗効果を生み出し、明確なビジョンを提示する」と述べている。【MONEYTODAY パク・ゴニ記者】
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