
韓国で「1人社長」と呼ばれる個人事業主が急減している。内需不振や高金利の影響で、従業員を雇用しない自営業者は2024年に前年比4万4000人減の422万5000人となり、6年ぶりに減少へ転じた。従業員を雇っている自営業者は増加しているが、全体としては減少傾向にある。
統計庁のデータによると、従業員のいる自営業者は2024年、前年比1万2000人増の143万2000人となったが、1人自営業者の減少がこれを上回った。資本力の小さい個人事業主が特に打撃を受けており、韓国国税庁の統計では、個人事業主の廃業件数が2021年の81万9000件から2023年には91万1000件へと増加した。
これに伴い、廃業時に支給される共済金が急増している。2024年は申請件数12万1802件・総額1兆7518億ウォン(約1812億円)に達した。今年も2月末時点で2万5047件・4110億ウォン(約425億円)が支給され、さらに増加するとみられる。
韓国の自営業者比率はOECD加盟国の中でも高く、2021年のデータでは23.9%とOECD平均(17%)の約1.4倍に達する。しかし、長続きしない傾向が強く、特に飲食・宿泊業では創業5年後に生き残っている率が22.8%と低い。
政府は再就職支援策の拡充に力を入れ、今年は前年より61.9%増の2450億ウォン(約253億円)の予算を計上した。だが、専門家からは「短期的な支援にとどまらず、『とりあえず起業する』という風土を変えるべきだ」という指摘が出ている。
(c)news1