かつて韓国を訪れる観光客が東南アジアで最も多かったタイが電子渡航認証制度(K-ETA)の導入後、急減している。9月に韓国へ来たタイ人観光客数は1万8868人で前年同月比20.3%減少。2019年から47.6%も減少した。訪韓観光客数はトップから5位に後退している。
原因の一つに挙げられるのは、タイ国籍の訪韓者に対する出入国審査での対応。昨年末からK-ETAによる入国審査でタイ人が排除される事例が増加したことで反韓感情が高まり、韓国旅行をキャンセルするケースが増加しているのだ。2023年には91件の団体旅行がキャンセルされ、計9947人が韓国旅行を断念したとされる。
この訪韓観光客の減少は日本、中国、台湾などにとって好機となり、特に日本はタイ人観光客の取り込みに力を入れている。2019年のタイ人訪日客数は訪韓客の2.3倍だったが、その差は2024年に3.48倍に拡大する見通しという。
韓国文化体育観光省の関係者は、日本や台湾に競争力を奪われていると指摘しており、法務省と協力して対策を講じているが、早期解決は難しいと見られている。
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