
韓国の首都圏で入居が始まった新築マンションのすべてが外来語を含んでおり、名称が長く複雑すぎて一般市民、特に高齢層の混乱を招いていることが明らかになった。
70代の女性が娘の新居を訪ねようとした際、マンション名が長すぎて思い出せず、タクシー運転手に目的地を伝えられなかったという。結局、娘に電話をして10文字を超える名称を確認したというエピソードは象徴的だ。
不動産情報会社「不動産R114」によると、2025年1月から9月までに首都圏で入居が始まった123カ所のマンション群のうち、外国語を使っていない名称は一つもなかった。マンション名の平均文字数は約10字(9.8字)で、1990年代の平均4字から倍以上に増加した。
最も長い名称は「チョロンコッマウル2団地 パジュウンジョンシティ プラディウム(チョロン花村2団地坡州雲井City Pradium)」のハングルで18字。次いで「トクジョン駅 ソヒスタヒルス エデュフォレ3団地」(16字)「ヨンジョン国際華城パートドリームオーシャンブリッジ」(15字)「東豆川ジュンフンSクラスヘラシティ」(13字)などが続く。
全国で最も長いのは全羅南道羅州の「光州全南共同革新都市 ピッカラム テボンエリウム ロイヤルカウンティ1・2次(光州全南共同革新都市 Bitgaram 大方 Elium Royal County1・2 )」(25字)だ。ここで「エリウム」は大方建設のブランド名、「ロイヤルカウンティ」は英国王室の居住地に由来する英語だ。
ソウル市が2024年に発表した「新しい共同住宅名称ガイドライン」によれば、市民1003人のうち77%が「マンション名が長く複雑」と答え、74%が「訪問時に混乱した経験がある」と回答した。理想的な名称の長さとしては4~5文字が最も多く(60.3%)挙げられた。
専門家によると、建設会社はブランド価値を高めるために高級感を演出しようとし、外来語を組み合わせた長い名称を付ける傾向がある。光云大学のソ・ジンヒョン教授は「企業はブランドイメージ向上を狙うが、高齢層や一般市民が理解しにくい点で好ましくない」と指摘する。
業界関係者も「2000年代初期までは外国語ブランドを入れてもそれほど複雑ではなかったが、マンション価格におけるブランドの影響力が増すにつれ、スウェーデン語やフランス語なども採用されるようになった」と語る。
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