2026 年 4月 9日 (木)
ホーム社会韓国でADHD患者が4年で3倍…成人の受診も急増

韓国でADHD患者が4年で3倍…成人の受診も急増

(c)news1

子どもの問題とされてきた注意欠如・多動症(ADHD)が、近年は全年齢層に広がる疾患として注目を集めている。韓国では診療患者数が急増し、成人の受診も大きく伸びている。

健康保険審査評価院の統計によると、2020年に約8万人だったADHDの診療患者は、2024年には約25万人に増え、4年間で3倍以上に拡大した。専門家は、メディアを通じて偏見が和らぎ、自身の症状を疾患として認識して受診する人が増えたことが背景にあると指摘する。

ADHDは単なる性格や意志の問題ではなく、脳の前頭前野における神経伝達物質の働きや遺伝、環境などが複雑に関係する神経発達障害だ。放置すれば学業や仕事、人間関係に長期的な支障をきたす可能性がある。

症状は年齢によって異なる。子どもでは不注意や多動、衝動性が目立ち、授業中に集中できなかったり落ち着きがなかったりする。一方、成人では多動は目立たなくなるものの、集中力の欠如や時間管理の困難、衝動的な言動などが問題として残る。

診断には、専門医による面談や行動観察、注意力検査、知能検査などを組み合わせた総合的な評価が欠かせない。うつ病や不安障害など、併存しやすい他の疾患との見極めも重要とされる。

治療は薬物療法が中心となるが、それだけでは十分ではない。子どもでは親への教育や社会性トレーニング、成人では認知行動療法やコーチングを組み合わせることで改善が期待される。患者の約8割で症状の改善が見られるという。

一方で、治療薬の誤解や乱用も問題となっている。覚醒作用を持つ薬が「勉強ができる薬」として誤認されるケースがあり、処方患者数は増加傾向にある。これを受け、当局は流通・処方の管理強化など対策を進めている。

専門家は「ADHDは意志の弱さではなく治療可能な疾患だ」と強調し、「同じ失敗を繰り返したり集中の困難が続いたりする場合は、早めに専門家へ相談することが重要だ」と呼びかけている。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular