韓国で新型コロナウイルス感染の最初の感染者が報告された2020年1月以降、約3年ぶりに年末の集まりが蘇っている。昨年末は感染者数の最高値を連日更新、オミクロン型が猛威を振るい、昨年は「5人以上の小規模集まり禁止令」が忘年会を遮った。
「ウィズコロナ」で日常回復が本格化し、忘年会ムードが高まっている。ただ、梨泰院(イテウォン)雑踏事故の余波と冬季の新型コロナ流行が続いており、懸念も残っている。3年間、会食文化が姿を消し、過去に回帰する雰囲気に対し、悲観的な考えを吐露する会社員も少なくない。
◇忘年会が急増
news1の取材を総合すると、昨年と比べて今年末の忘年会が急増している。
ソウル市中区(チュング)で飲食店を経営するパク・スンイムさん(66)は「昨年12月と比べると、予約が2倍も増えた。10人を超える団体の集まりより、小規模な集まりが多くなった点が目につく」と話す。
年末を迎えた会社員のカレンダーもぎっしり詰まっている。会社員(35)は「今週だけでも忘年会が3件。13日はとても寒かったのに、居酒屋が満杯だった」と振り返る。
別の会社員(35)も「職場の同僚5人で酒を飲んだ。店の前に並んだ列がものすごく長かった。『今年1年、お疲れ様でした』と乾杯をすると、新型コロナウイルス感染がなかったころの忘年会の感じがした」との感想だ。
韓国で新型コロナの最初の感染者が報告された2020年1月以降の2度の年末は、出会いとコミュニケーションが途絶えたまま、過ぎ去った。2020年12月24日から首都圏を含む全国のすべての屋内外施設で5人以上の小規模な集まりが制限された。
◇変わる忘年会の風景
3年間続いた新型コロナは、年末忘年会の風景を大きく変えた。若者を中心にテレビ会議の道具「ズーム(ZOOM)」を使い、非対面での忘年会を開いたり、小規模ホームパーティーを楽しんだりする文化が定着した。
集まりの人数に制限を設けると、一部の職場では、オフィス内の会食、テーブルを離して座る方法で会食を強行することもあった。
一方、会食文化が蘇ると、若い会社員の間では拒否反応を示すケースも少なくない。
ある会社員(35)は「個人的に人に会うことが好きだが、会社の人たちとは嫌だ。忘年会の雰囲気が良くない。新型コロナ前、嫌な席に長くいるのが辛かったが、またそれをやると思うとイライラする」と首を横に振った。
別の会社員の女性(27)は「忘年会のシーズンになると、かえって新型コロナの流行時期のほうが良かったな、と思う。コロナを口実に会食を避けることができたが、今はそんな言い訳は難しい」と吐露した。
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