「沈黙の病」として知られる高血圧は死亡の最も大きな要因となる疾患だ。先月17日に発表された世界保健機構(WHO)の調査結果によると、高血圧はタバコ・肥満を抜いて世界の死亡危険要因1位を記録するほどだ。
韓国では高血圧患者、特に若い高血圧患者が目立って増えている。統計によると、2021年に高血圧で病院を訪れた患者は約701万人で、2017年の約602万人より16.5%増加した。そのうち20代と30代ではそれぞれ44.4%と26.6%ずつ増加し、平均より大幅に増加したことが確認された。
漢陽(ハンヤン)大学病院心臓内科のシン・ジンホ教授は「このような若い高血圧患者の増加がより懸念されるのは20~30代の高血圧患者の高血圧疾患認知率が19%と非常に低いという点」と指摘した。
高血圧はストレス、薬物、食べ物、姿勢、周辺環境など多様な要因によって時々刻々と変化する疾患だ。また、医師・看護師の白衣を見ただけで血圧が高く出る「白衣高血圧」、その逆である病院の外だけでより高く出る「仮面高血圧」など、診療室内測定だけでは正確な判断が難しい場合が多い。
シン教授は「このような理由で大韓高血圧学会でも診療室外の周期的な自己血圧測定の重要性を強調するが、高血圧に対する若い患者の疾患認知率自体が低く、きちんとした治療・管理が不足している」と指摘する。これによって、脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓疾患、末梢血管疾患、網膜症など致命的な合併症が生じる危険も高まるという。
家庭で自ら血圧を測定して管理する努力をしなさいと、いくら言っても過言ではない。それでも家庭内で持続的な血圧測定の難しさ、データ管理の煩わしさなどにより自己血圧測定には限界がある。
シン教授は「個人別の血圧管理のためには警戒性高血圧の有無、夜間高血圧と朝高血圧の発生有無、血圧降下(Dipping)可否などに対する情報が十分でなければならない。そうしてこそ、どんな薬剤(容量など)を選択し、どんな治療を施行するかの決定に役立つ」と説明している。
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