韓国で厳しい寒さの中、たい焼きを求める市民が増えている。しかし、物価高の影響でたい焼きの価格は上がり、露店はさらに減ると心配されている。ソウルの主な繁華街では、すでにたい焼き1個を1000ウォン(約100円)で販売しているところも珍しくない。
◇「出没時期」確認サービス
ソウル・明洞(ミョンドン)の飲食店街にあるたい焼き屋を訪ねた。たい焼き1個を1000ウォンで販売する同店には、退勤時間前から客が並んでいた。
友人と並んでいたソさん(23)は「インスタでおいしいという口コミを見て買いに来た。家の近くはプンセ圏(たい焼きと駅周辺の合成語)ではなく、少し遠くから来た」と話した。
こうしたブームを受け、いわゆる「たい焼きアプリケーション(アプリ)」まで提供されている。アプリをインストールすれば、たい焼き屋の位置と値段、決済方式などを確認できる。露店の特性上、開いている曜日や時間が不規則だという点を考慮し、「出没時期」確認サービスも提供されている。
このアプリはユーザーの自発的な参加で運営される。
◇消費者、積極的に情報共有
一部では、たい焼き屋を見つけられず残念がった消費者が、積極的に情報を共有して動いているという話もある。ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポク)に住むイさんは(28)は「(アプリを)利用したことはないが、たい焼きを売っているところがないなら、店を出すことも考えてみる」と話した。
京畿道(キョンギド)高陽市(コヤンシ)に住むコさん(24)も「そんなアプリがあるとは知らなかった。近くのたい焼き屋を見つけるのが大変だったので、一度使ってみたい」と話した。
ユーチューブにもたい焼きの人気を実感させるコンテンツが多数掲載されている。「たい焼きグルメ」を紹介する映像はアップロードから9日間に再生回数121万回を超えた。たい焼き屋を創業した青年たちの映像も再生回数9万回を上回り人気を集めている。
このように消費者が店を探し回るようになった理由は、物価高で店をたたむたい焼き屋が増えているためとみられる。
統計庁国家統計ポータル(KOSIS)によると、食用油が前年同期比42.8%、小麦粉が36.9%上昇した。たい焼きの主材料である小豆の価格も高い。韓国農水産食品流通公社(aT)の農産物流通情報によると、輸入赤小豆の卸売価格は平均27万ウォンで、前年度比約7.3%上昇した。
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