
韓国で薬物運転として摘発された事例のうち、半数以上が違法薬物ではなく医療用の処方薬によるものであることが分かり、議論を呼んでいる。罰則強化に伴う注意喚起の必要性が指摘される一方で、過度な警戒が治療の回避につながる懸念も出ている。
警察大学の研究チームが2023年から2025年までの薬物運転1046件を分析した結果、検出された成分の55%が医療用麻薬類だった。中でも睡眠導入剤として使われるゾルピデムが最も多く、抗不安薬のアルプラゾラムやフルニトラゼパムなども多く確認された。
これらの薬は不眠や不安障害の治療に広く用いられるが、中枢神経に作用し、眠気や判断力の低下などの副作用を引き起こす可能性がある。
近年は精神的な健康への関心の高まりとともに治療を受ける人が増えており、精神疾患の受診者数も増加傾向にある。睡眠障害の患者数や睡眠薬の処方件数も大きく伸びている。
改正道路交通法の施行により、薬物運転に対する処罰は強化された。警察は飲酒運転の取り締まりと並行し、薬物運転の集中取り締まりも進める方針だ。
専門家は「処方の段階で運転に伴うリスクを十分に説明することが重要だ」と指摘する。特に抗不安薬などは内科を含む幅広い診療科で使用されるため、より丁寧な説明が求められている。
一方で、薬物運転への警戒が過度に高まることで、患者が精神科治療を避ける可能性も指摘されている。
専門家は「重要なのは治療を安全に継続できる環境を整えることだ」とし、薬の作用時間や運転の可否について具体的な指導をする必要性を強調している。
(c)MONEYTODAY