
韓国で、罰金を納められず労役場に収監される人が急増している。罰金未納者には社会奉仕や分割納付の制度があるが、その存在を知らずに機会を逃すケースが後を絶たない。
ベトナム出身で韓国国籍を取得したある男性(41)は昨年7月、中古品取引詐欺の被害に遭い、派出所を訪れた際に罰金未納による指名手配の事実を知った。罰金1000万ウォン(約110万円)を即納できず、労役場収監の危機に直面したが、検察の判断で分割納付が認められた。
未納者が職務質問などで摘発されるケースは増加している。今月10日には交通取り締まりを逃れようとして車を転覆させ死亡した60代男性が、詐欺罪による罰金未納で指名手配されていたことが判明した。
警察関係者は「罰金未納による指名手配者の摘発件数は過去より増えている。自ら労役場行きを申し出る人もいる」と述べた。
経済状況の悪化により、生計型犯罪で罰金刑を受けた人が労役場に収監される例が増えている。韓国の人権団体「人権連帯」によると、罰金未納による収監者は2021年に2万1868人、2022年に2万5975人、2023年には5万7267人と急増している。2024年はさらに増加すると予測される。
罰金の代替制度として社会奉仕や分割納付がある。ただ、制度を知らなかったり、適用条件を満たさず利用できなかったりするケースが多い。罰金未納者を支援する「ジャンバルジャン銀行」の関係者は「罰金支払いの融資希望者が急増している。制度の周知と罰金納付支援の拡充が必要だ」と訴えた。
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