2026 年 3月 16日 (月)
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韓国で相次ぐ乳児虐待死…処罰強化でも止まらない家庭内虐待の現実

(c)news1

韓国では、親による虐待で生後4カ月の乳児が死亡した事件から半年も経たないうちに、仁川で生後20カ月の子どもが母親の育児放棄により死亡する事件が起きた。2021年、児童虐待で死亡した「ジョンイン事件」を契機に、虐待致死の処罰を強化した「ジョンイン法」が施行されたが、子どもの悲劇は今も続いている。

国会行政安全委員会所属の祖国革新党・チョン・チュンセン議員の事務所によると、同法施行後の2021年から2025年までに、児童虐待殺害・児童虐待致死で亡くなった子どもは96人に上る。乳児虐待は家庭内で起きるケースが多く、外部から発見されにくいことが大きな要因とされる。

光州大学児童学科のチェ・アナ教授は「乳児は発達的に弱く、大人への依存度が非常に高い。そのため虐待による死亡率も高い。早期発見が重要だ」と指摘する。南ソウル大学児童福祉学科のト・ミヒャン教授も「乳幼児への虐待は家庭内で起きるため事後発見が難しい。通報後に警察、児童保護機関、自治体が迅速に共同対応する体制を強化すべきだ」と話す。

統計でも、加害者の多くが実の親である実態が浮かぶ。ジョンイン法施行後の児童虐待事件は6万3575件で、加害者6万9919人のうち77.1%が実の親だった。乳児は保育施設に入るまで社会との接点がほとんどなく、第三者が異変を察知できる機会は産後ケアヘルパーや乳幼児健康診断などに限られる。

そのため専門家は、親が役割を果たせない場合に国家が予防的に介入する仕組みが必要だと指摘する。親教育制度の導入や健康診断で虐待兆候を確認する体制、専門家が家庭を訪問して育児支援をする制度などが提案されている。

児童虐待殺害の法定刑は死刑・無期懲役または7年以上の懲役と重いが、減刑される例もある。2024年には光州で新生児を殺害した親の刑が懲役10年から8年に、麗水で生後7カ月の双子を殺害した母親の刑が懲役8年から5年に減刑された。これを受け、生後4カ月乳児死亡事件を契機に加重処罰や減刑制限を求める国民請願が5万人以上の同意を集め、国会法制司法委員会に付託された。

ただ専門家は、刑罰強化だけでは虐待は防げないと指摘する。危険家庭の早期把握、育児支援制度の整備、通報と対応の強化を含む予防中心の管理体制が必要だという。出産直後から保健所や医療機関、保育施設が危険信号を共有し、育児ストレスの高い家庭を訪問相談などで支える仕組みが求められている。親の孤立や精神的問題への早期支援こそが、悲劇を防ぐ鍵だと専門家は強調する。

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