韓国では子どもの出生数が減少しているうえ、仕事がきつい割に稼げないことから、産婦人科を専門にする医師が急速に減っている。
オープンして32年になる蔚山(ウルサン)市の大型産婦人科専門病院が無期休院に入ったのに続き、光州(クァンジュ)市でも大型産婦人科病院が廃業を決めた。
これら地域の病院が閉鎖を決めた理由は、低い報酬と低下する出産率のあおりで病院の経営が立ちゆかなくなったからだ。
このように地域拠点の産婦人科がなくなったしわ寄せは妊産婦らに回ってくる。
消防庁の資料によると、病院までの移送距離が20km以上の妊婦は最近3年間で4315人に上り、ドクターヘリで産婦人科へ運ばれた妊産婦もここ5年間で9人いた。
医師たちが産婦人科に背を向ける理由はワークライフバランスを取れないという事情もあるが、最も大きいのは医療事故訴訟への懸念だ。
江東慶煕(カンドンキョンヒ)大学病院産婦人科のソル・ヒョンジュ教授が教授120人を含む医療関係者230人に実施したアンケートによると、産科をあきらめる理由の79%は「分娩関連の医療事故の憂慮や発生に対する心配」だった。
ソル教授は「若い医師の最大の悩みは分娩関連の医療事故とこれによる医療訴訟のストレスだった」と述べた。
啓明(ケミョン)大学東山(トンサン)病院産婦人科のペ・ジンゴン教授はnews1との電話インタビューで「産婦人科は3D(難しくて危険で汚い極限職業)だ。今のような制度の下で誰が、簡単にお金を稼げる皮膚美容を選ばず、産婦人科を選ぶだろうか」と声を高めた。
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