韓国で外食物価が急激に値上がりし「おごる」文化がますます姿を消えている。おごることに慣れたベビーブーマー(1946~1964年生まれ)もリタイアして収入が減少すると、若者世代と同様「ダッチペイ」(各自支払い)に移行している。
統計庁によると、先月の消費者物価指数は1年前より約3%上昇。外食物価も3.4%の上昇率を記録した。懐がさみしくなった中高年層は気軽に「今日は私がおごるよ」と言えなくなっている。リタイア間近もしくはリタイア後は老後に備える必要もあり、懐事情は一層思わしくない。
京畿道坡州(キョンギド・パジュ)に住む60代男性は「最近会社の同期たちと全羅南道求礼(チョルラナムド・クレ)にある華厳寺に遊びに行ってご飯を食べ、刀のように等分して精算した」と話し、外食費の負担を減らそうと努力していると続けた。
最近は割り勘がむしろ楽だという中高年層も少なくない。京畿道金浦市(キムポシ)の男性(57)は「最初は割り勘なんてつまらない文化だと思っていたが、相手と長く付き合っていくにはむしろこのほうがいいと思った」と話した。
仁川(インチョン)大学消費者学科のイ・ヨンエ教授は「寿命は伸びるが、収入は限られており、引退後どれだけ資産が必要か考えたら途方に暮れてしまうのが現実だ。他人との交流は持続しながら経済的な負担は減らしたいため、若い世代の文化である割り勘が合理的だと考える人が多くなっている」と話した。
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