
世界的に防衛産業関連技術への投資が拡大する中、韓国でもドローンや人工知能(AI)など軍民両用の技術を持つ「デュアルユース」スタートアップに注目が集まっている。
業界によると、調査会社ピッチブックの集計では、2025年のディフェンステック分野におけるベンチャーキャピタル(VC)投資額は272億ドルから491億ドルへと約80%増加し、過去最大を記録した。防衛技術に投資するVCの数も前年より約40%増えたと推計されている。
資金は特にデュアルユース型のドローン分野に集中している。韓国の防衛テック市場は規模こそまだ大きくないものの、成長速度では世界でも上位と評価されている。ドローンの群飛行技術や衛星データ解析、AIによる標的識別など、戦場データを扱う技術を持つスタートアップが新たな投資対象として浮上している。
代表例として、釜山・広安里のドローンショーで知られる企業ユビファイは、ベンチャーキャピタルのクリットベンチャーズやエヌエックスシーから600億ウォン(約66億円)規模のシリーズB投資を調達した。ドローン分野の単一ラウンドとしては最大級とされる。同社はドローンショーの輸出実績などが評価され、「1000万ドル輸出の塔」を受賞したほか、政府の軍用ドローン政策にも参加している。
また、ドローンの群飛行や自律飛行、統合管制プラットフォームを持つパブロ航空も、大韓航空やLIGネクスワン関連の防衛革新ファンドなどから約110億ウォン(約12億1000万円)のプレIPOブリッジ投資を調達した。累計投資額は約1000億ウォン(約110億円)に達している。
このほか、ドローンや対ドローン技術、AIによる自動標的識別、衛星データ解析などを対象とした特化型ファンドの設立も相次いでいる。
韓国政府も支援を強化している。防衛事業庁は2025年12月、3100億ウォン(約341億円)規模の「第2期防衛技術イノベーションファンド」を設立すると発表した。
さらに、ベンチャー投資会社ブルーポイントパートナーズは、スタートアップの防衛産業参入を支援するプラットフォーム「ラプターズ(RAPTORS)」を立ち上げ、民間技術と防衛分野の連携を促進している。
業界関係者は「防衛産業は受注構造や規制、輸出管理などのハードルが高く投資の難易度も高いが、一度参入すれば国家安全保障市場と世界的な輸出需要という安定した市場がある」と指摘する。その上で「群ドローンや対ドローン技術、AIによる衛星・センサー技術が防衛力の中核として浮上しており、スタートアップでも市場を変える存在になり得る環境が整いつつある」と分析している。
(c)news1