2025 年 4月 1日 (火)
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韓国で春・夏に多発する“地中の災害”地盤陥没…全国で警報レベルに

3月25日、ソウル市江東区の小学校付近交差点で地盤陥没が発生し、交通が規制されている(c)news1

韓国各地で地盤陥没による事故が相次ぎ、春の解氷期と夏の梅雨時に特にリスクが高まっている。首都圏や主要都市を中心に地下インフラの老朽化や管理不備が指摘されており、専門家からは「全国的な特別点検が必要」との声が上がっている。

地下安全情報システム(JIS)によると、2018年から2025年3月25日までに報告された地盤陥没事故は全国で1345件に達する。地域別では、京畿道が291件と最多で、続いて光州市が155件、釜山市が133件、ソウル市が115件と、都市部での発生が目立つ。

事故の約75.7%が春(371件)と夏(647件)に集中しており、解氷期と集中豪雨による地中水位の変動が主な要因とされている。

昨年8月、ソウル市西大門区延禧洞では、幅4メートル、長さ6メートル、深さ2.5メートルの大規模な地盤陥没が発生し、通行中の2人が重傷を負った。集中豪雨による地下水位変化や土砂の流出、付近で進められていた排水ポンプ場工事による地下水の漏出などが原因とされている。

同年9月には釜山市沙上区の道路中央に、幅10メートル、長さ5メートル、深さ8メートルの巨大な地盤陥没が発生。人的被害はなかったものの、釜山消防本部の車両と5トンの貨物車が転覆する事態となった。

都市部では、上水道・下水道・地下鉄・高速道路など多数のインフラが地下に集中しており、地盤陥没のリスクが高まっている。

2014年には、ソウル市松坡区蚕室の石村湖周辺で大小6回にわたる地盤陥没が発生。ロッテワールドタワーの建設に伴う地下水の流出と、地下水の流れを制御できなかった掘削工事が原因とされた。当時は国政監査の主要議題にもなり、制度整備が進められたが、その後も事故は続いている。

昨年夏には西大門区だけでなく、鍾路5街駅や高麗大学駅付近でも地盤陥没が発生している。ソウル市は昨年12月に「地盤陥没予防総合対策」を発表したが、それからわずか3カ月後の3月24日午後6時29分、再び江東区で直径20メートルの巨大な穴が道路中央に開き、1人が負傷、30代のバイク運転手は約17時間後に心肺停止状態で発見された。

地盤陥没事故は主に都市部の道路上で発生し、車両通行や歩行者の安全を脅かしている。このため、春と夏には特に徹底した点検と事前対策が求められる。

ソウル大学土木工学科のチョン・チュンギ教授は「地下鉄や道路、上下水道など都市部の地下インフラが密集しているため、地盤陥没の発生が多発している。維持管理の観点から、より実効性のある対策を立てる必要がある」と警鐘を鳴らした。

(c)news1

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