
韓国で大ヒット中の映画「王と生きる男」をきっかけに、李氏朝鮮の第6代国王・端宗に関する歴史ブームが広がっている。関連するユーチューブ動画の多くが再生回数100万回を超え、書籍や史跡観光にも関心が集まっている。
インスタグラムで漫画を投稿している30代の女性は、映画を見た後に端宗をテーマにした漫画を公開し、「この映画を見て一度でも端宗を検索したなら成功した映画ではないか」と書き込んだ。暗記の多い社会科が苦手で理系を選んだというこの女性も、映画をきっかけに歴史の勉強を始めたという。
映画を見た観客の間では、歴史をあらためて調べる動きが広がっている。累計観客数1200万人を超えたこの作品は、癸酉靖難の後に王位を追われた端宗の流配生活を描いた。これまであまり知られてこなかった歴史が、映画によって再び注目を集めた形だ。
ユーチューブでは、端宗の生涯や当時の政治状況を解説する歴史動画が相次いで公開され、多くが再生回数100万回を突破した。
映画を見た31歳の会社員男性は「観る前は端宗や癸酉靖難がテーマだとは知らなかったが、物語が進むにつれ学生時代に学んだ朝鮮史を思い出した」と語る。鑑賞後には百科事典などで人物や史料を調べ、映画の登場人物が史実ではどのように記録されているのか確認したという。
また別の観客は「歴史を取り戻すような感覚だった」と話し、ユーチューブの歴史講義や論文サイト、ポータル検索などを通じて関連情報を調べたと語った。
書籍市場にも影響が出ている。オンライン書店イエス24によると、映画公開後1カ月間の「端宗」関連書籍の販売量は前年同期比で2565.4%増加した。人気を受け、作家イ・グァンス(李光洙)の長編小説「端宗哀史」の1954年初版本を再現したセットの予約販売も始まった。
図書館の貸し出し統計でも「端宗哀史」の利用が急増し、1月の28件から2月には148件に増えた。
映画の撮影地である江原道・寧越を訪れる人も増えている。撮影地を巡る日帰りツアーはすでに満席となり、寧越や清泠浦を巡る1泊2日の歴史旅行も人気を集めているという。
映画のヒットを背景に、ファンの間では「端宗ファン」を名乗り、関連書籍を読み進めたり史跡を訪ねたりする動きが広がっている。歴史関連コンテンツや観光など周辺分野にも、当面はプラスの影響が続くとみられている。
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