韓国で大統領弾劾政局や務安国際空港での航空機事故などで社会が混乱する中、新年早々から政治家を標的とした脅迫事件が相次いで発生している。
2日午後3時ごろ、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表の支持者であるYouTuberに、発信者非表示の電話がかかり、「イ・ジェミョン代表を殺害する」との脅迫を受けた。YouTuberは直ちに警察に通報し、警察は通信記録をもとに発信者を追跡している。
同日午前10時24分には、与党「国民の力」党本部とクォン・ソンドン(権性東)院内代表の自宅周辺に爆発物を設置したとの内容のファクスがソウル警察庁に送られた。警察は「国民の力」中央党本部に20人以上の警察官と2頭の爆発物探知犬を投入して捜索した。さらに、クォン代表の事務所と自宅も特別捜索隊と探知犬で捜索したが、爆発物は発見されなかった。
このファクスが日本の弁護士名義で送信されていることから、警察はこれが2023年8月以降続いている国内主要機関へのテロ脅迫事件と類似していると判断し、これらを統合して捜査を進めている。
今月1日には、民主党中央党本部へのテロを予告するコメントを投稿した60代の男性が逮捕された。この男性は、インターネットのニュース記事に「ハン・ドクス(韓悳洙)首相が弾劾されたら民主党本部を爆破する」とのコメントを投稿していた。警察はIPアドレスをもとに男性を特定し、首都圏で拘束した。男性は「感情的になって書いた」と供述しているという。
さらに、オンライン掲示板に、大統領権限代行のチェ・サンモク(崔相穆)副首相兼企画財政相を殺害するとの投稿が掲載された。投稿者は現在も特定されておらず、警察が捜査を続けている。
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