
韓国で捜査機関の対応の遅れにより、被害者が十分な救済を受けられない事例が相次いでいる。捜査が進展しないまま長期間放置され、抗議や問い合わせをした直後に不起訴処分が下されるケースもあり、不満が広がっている。
ある被害者は、知人の建設業者から投資話を持ちかけられ、約1億ウォン(約1100万円)の損失を被ったとして詐欺容疑で告訴した。しかし警察は「証拠不十分」を理由に送致しない決定を下した。被害者が異議申し立てを行い事件は検察に送られたものの、1年以上にわたり追加の事情聴取などはなかった。
その後、被害者が進捗確認を求めた直後、検察は不起訴処分を決定。不起訴理由は、警察段階の判断を踏襲した内容だったという。
こうした「遅延捜査」は近年増加しているとされる。法曹界では、その背景として検察官の人員不足を指摘する声が多い。2025年に退職した検察官は175人と過去5年で最多を記録し、2026年も第1四半期だけで58人が離職した。
さらに、特別検察などへの人員派遣も重なり、現場で事件処理を担う検察官は通常の約3分の2にとどまっているとされる。現場の検察幹部は「単なる人手不足ではなく、組織としての機能が崩れている水準だ」と指摘する。
実際、未処理事件の増加も深刻だ。大検察庁によると、2026年2月時点で全国の未処理事件は約12万件に達し、ここ数年の水準を大きく上回っている。従来は未処理案件を減らすための内部管理もあったが、現在は実質的に機能していないとの見方もある。
また、制度改革によって検察組織の将来が不透明となっていることも、士気低下の一因とみられている。ある弁護士は「最近は事件処理に2〜3年かかるのが一般的で、被害者が告訴自体をためらう状況だ」と語る。
このような状況を受け、法務当局は人員補充などの対応を検討しているが、抜本的な解決には時間がかかる見通しだ。捜査の遅れが続く中、被害者保護のあり方を問う声は一層強まっている。
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