韓国でマラリアが急速に広がっている。疾病管理庁は昨年より1週間早く「マラリア注意報」を発令。行政安全省によると、6月28日までに京畿道楊州市(キョンギド・ヤンジュシ)や金浦(キムポ)、仁川市弥鄒忽区(インチョンシ・ミチュホルグ)など4自治体が市民にマラリア警戒メールを発信した。
マラリアは大半がムラサキ蚊に刺されることで感染する。悪寒や頭痛、発熱、下痢などが主な症状。免疫力が弱い乳幼児や高齢者、慢性疾患者は重症化する可能性がある。
マラリアの流行は以前から続いてきた。2010年の1772人から漸減傾向にあったが、昨年は747人の患者が発生し、2022年に比べて300人以上急増した。今年もマラリアを媒介するミツバチ蚊の数がこの3年間で最も高く、防疫当局と自治体が神経をとがらせている。
蚊の増加は第一に気候変化による頻繁な雨と平均気温の上昇で繁殖しやすくなったのが原因とみられる。第二に気候変動で蚊の生息域が広がったことにあるらしい。以前は北朝鮮との境界地域に勤務する軍人の患者が多かったが、今年の患者は民間人が115人(70.6%)を占めている。
感染推定地域も京畿道、仁川、江原道(カンウォンド)からソウルまで拡大した。ソウルのど真ん中でマラリアが猛威を振るっているのだ。疾病庁によると、これまでソウルに住所地を持つ患者は15人で、そのうち3人がソウル市内で感染したとみられている。
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