2024 年 11月 19日 (火)
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韓国で広まる「検査妨害目的」飲酒ドライバーのさらなる飲酒…防止法が国会通過

トロット歌手キム・ホジュン(c)news1

飲酒ドライバーが、検査を妨害する目的でさらに酒を飲む「飲酒隠蔽」行為を処罰するための法的根拠となる「キム・ホジュン防止法」が韓国国会を通過した。この法律の施行により、飲酒運転事故後さらに酒を飲む行為が減少するか注目が集まっている。

与野党は14日の本会議で「道路交通法一部改正案」を可決した。改正案では、飲酒検査を妨害する目的で酒を飲む行為を違法とし、検査拒否と同等の処罰規定=1年以上5年以下の懲役または500万~2000万ウォン(約55万~220万円)の罰金=が適用される。改正案には、飲酒状態にあるとみなされる合理的な理由がある場合、さらに酒を飲んだり、血中アルコール濃度に影響を及ぼす医薬品を使用したりすることを禁止する内容が盛り込まれている。

この背景には、5月に発生したトロット歌手キム・ホジュンによる事件がある。キム・ホジュンはソウル市江南区で飲酒運転中にタクシーと接触事故を起こし逃走、その後缶ビールを飲んで警察の検査を妨害した疑いで逮捕された。裁判では懲役2年6カ月の判決が下されたが、飲酒運転の罪は適用されなかった。

警察は「ウィドマーク公式」を用いてキム・ホジュンの飲酒運転を立証しようとしたが、検察は「時間を置いて何度も酒を飲んだため、正確なアルコール濃度を算出するのは難しい」として、飲酒運転の罪状を外した。ウィドマーク公式とは、飲酒ドライバーの血中アルコール濃度を事故時点に遡って計算する方法だが、法的信頼性が低いとして無罪判決となる事例も多い。

キム・ホジュン事件以降、飲酒運転を免れるための「飲酒隠蔽」手法が広まった。例えば、京畿道城南市で22歳の男性が電動自転車に乗っていた33歳の男性をひき逃げし、逮捕後に「家で酒を飲んだ」と主張した事例がある。この事件では、事故発生2時間後に飲酒検査が実施されたが、逮捕者がその間に再び酒を飲んでいたため、正確な血中アルコール濃度を特定できなかった。

専門家らは、今回の法案通過により飲酒隠蔽行為に対する法的抑制が強化されると評価している。ある弁護士は「今回の改正案により、飲酒運転後の検査妨害行為が大幅に減少するだろう」と述べた。

(c)news1

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