
韓国の大学で、卒業写真をめぐる文化が大きく変化している。従来の分厚い集合アルバムではなく、スマートフォンやSNSを通じて思い出を残す学生が増えている。
25日に卒業した慶熙大学のキムさん(26)は、「卒業アルバムは作らなかった」と語る。中高生の頃ほど同窓の結びつきが強くないと感じ、集合写真よりもデジタル上の記録を選んだという。
近年は、学科ごとの顔写真が並ぶ従来型アルバムを敬遠し、カカオトークのプロフィール画像やインスタグラムに掲載する“デジタル思い出”を選択する傾向が広がっている。
長年、延世大学や高麗大学の卒業アルバムを制作してきた業者は「新型コロナウイルス流行前と比べ、申込者が明らかに減少した」と話す。今年は卒業生数に対する申込率が半数に満たなかったという。
建国大学では、申込者減少を理由にアルバム制作を取りやめた。代わりに外部スタジオと提携し、個人プロフィール撮影の割引制度を導入している。
現在主流となりつつあるのは、自然な動きや表情を捉える「スナップ撮影」だ。専門カメラマンに依頼し、10万~20万ウォン(1ウォン=約0.1円)を支払うケースもある。従来のアルバム費用(平均7万~10万ウォン)より高額だが、「自分の好みに合わせて撮影できる点に価値がある」と学生たちは語る。
中央大学写真学科のイ・ギョンリュル教授は、この変化の背景として「社会の個人化」と「写真の役割の変化」を挙げる。「同窓の連帯感が以前より薄れ、団体文化が弱まった。また、撮影機器が日常化したことで、写真は特別な記録から自己表現の手段へと位置づけが変わった」
“みんなの一冊”から“私だけの一枚”へ。韓国の大学卒業写真は、アナログな集合記念からSNS時代のパーソナルな記録へと世代交代を迎えている。
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