韓国雇用情報院はこのほど、2023年の雇用保険データをもとに、19~34歳の若者の雇用の質の変化を分析した報告書を公表した。雇用率が過去最高、失業率が過去最低を記録している一方で、特別な理由もなく求職活動をせずに「ただ休む」若者は今年8月には74万7000人に達した。また、卒業後3年以上就職もせず、求職活動もしていない若者は5月時点で8万2000人にのぼる。
報告書は、若者人口の減少と「ただ休む」若者の増加が進む中、雇用の質の変化を捉えるために作成された。分析には、雇用の安定性、労働時間、賃金、失業リスクの4つの指標が用いられた。
分析対象は2019年基準で青年層に属する1985~2000年生まれ。分析対象の中で最も若い2000年生まれが19歳になった時点である2019年以後、就職経験のある青年層が累積547万3000人で、2022年には約771万3000人だった。これに伴い、若者層の雇用保険取得者数は2018年以降増加しているが、2016年から2021年にかけて雇用の質の指数は低下を続けている。研究者らは「若者層の雇用者数増加をもって、雇用状況が改善しているとは言い難い」と指摘している。
1980年代生まれでは後年になるほど雇用の質が高かったが、1990年代生まれは逆に質が低くなる傾向が見られる。また、男女間では女性の雇用の質が低いとされ、小規模事業体(従業員50人未満)での雇用の質は下降傾向にある一方、従業員1000人以上の大規模事業体では改善されている。
研究者らは「若者層の雇用期間が他の年齢層に比べ短く、質が低い場合、その短期性を前向きには捉えにくい。若者労働市場を単なる就業者数だけで評価することは難しく、質の低い雇用環境への対応策が必要だ」と提言している。
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