
韓国では高病原性鳥インフルエンザ(AI)拡散の影響で、卵1パック(30個)の小売価格が7000ウォン(約790円)を超える水準まで高騰しており、物価上昇が庶民の暮らしに深刻な影響を与えている。
ソウル市内の大型マートで7日、卵を選ぶ市民の姿が見られた。ク・ユンチョル(具潤哲)副首相兼企画財政相は同日、民生経済関係閣僚会議で、1月中に224万個の新鮮卵を輸入し市場に供給する方針を明らかにした。また、需給状況に応じて納入単価の引き下げも推進するという。
業界関係者は、飼料や人件費の高騰に加え、感染症リスクの高まりなど、農家経営の不安が拡大する中での輸入拡大は、長期的に供給基盤を弱体化させかねないと懸念する。
短期的には価格安定策としての効果は限定的であり、産業全体に与える悪影響の方が大きいとの声もある。
物価高は卵にとどまらない。米の価格も上昇傾向を示している。韓国農水産食品流通公社(aT)によると、上級米20kgの平均小売価格は6万2849ウォンに達しており、「心理的抵抗線」とされる6万ウォンを依然として超えている。
しかし、政府は明確な価格安定策を打ち出せていない。生産者側は一定水準以上の価格維持を強く求めており、価格下落が農家の所得直撃となるため、政治的・社会的な配慮が必要とされる状況だ。
政府は、これまでに割引支援、関税の調整、備蓄放出など伝統的な手段を講じてきたが、物価安定の効果は限定的だという評価が多い。特に卵・野菜・畜産物・米といった生活密着品目は、気候・感染症・為替のトリプルリスクにさらされており、政策の余地が限られているのが現状だ。
加えて、産地価格と消費者価格のギャップも依然として解消されておらず、農家がコスト増に苦しむ一方で、消費者は依然として「高い」と感じる二重苦が常態化している。
ク・ユンチョル氏は「国民生活の安定のために政府の総力を挙げて対応する」とし、「関係各省庁と連携して、国民の食卓に並ぶ商品の価格が構造的に安定するよう努める」と述べた。
(c)NEWSIS

