
医療分野における人工知能(AI)の導入をめぐり、韓国の医療従事者と患者の間で信頼度に大きな差があることが明らかになった。フィリップスコリア(Philips Korea)が発表した「未来健康指数2025 韓国報告書」によれば、韓国の医師・看護師の86%が「AIは治療結果を改善できる」と答えたのに対し、患者では60%にとどまった。
調査は世界16カ国で医療従事者1926人、患者1万6114人を対象に実施され、韓国では医療従事者100人、患者1000人が参加した。結果、医療従事者はAIに対し、診療収容力の拡大(92%)、待ち時間の短縮(91%)、正確かつ迅速な医療介入(89%)、繰り返し業務の自動化(85%)など幅広い利点を期待していた。さらに予防分野でも、早期介入による救命(90%)、急性・緊急処置の減少(86%)、入院率低下(84%)などの効果が見込まれている。
一方で患者は、AIの導入が医療サービスを改善するとの回答は10人中6人にとどまり、懸念として「医師との対面時間が減る」(46%)ことを最も多く挙げた。ただ、新技術の導入そのものについては76%が歓迎すると答えており、AIを信頼するためには「医療事故予防」(50%)、「医療費削減」(43%)、「健康改善の実績」(40%)など、具体的な効果の実証を重視していることがわかった。
医療従事者側はAI信頼構築に必要な要件として、「活用法や制限に関する明確なガイドライン」(39%)や「法的責任の所在の明確化」(36%)を求める声が大きかった。
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