2026 年 4月 13日 (月)
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韓国で中東発の原材料高が拡大…プラスチック・配送・外食まで直撃、政府が非常対応

京畿道広州市にあるプラスチック企業の工場原料倉庫(c)news1

中東情勢の緊張による原材料価格の高騰が、韓国でプラスチック製品から配送、外食、流通まで幅広い分野に広がっている。政府は非常対応体制に入ったが、事態が長引けば企業と消費の双方に深刻な影響が及ぶとの懸念が強まっている。

米国とイランは一時的な休戦で合意したものの、ホルムズ海峡を巡る不確実性はなお続いている。原油とともに石油化学の基礎原料であるナフサの供給不安も拡大し、韓国の石油化学産業を直撃している。

業界によると、ナフサ価格は2026年1月には1トン当たり約600ドル(約9万5563円)だったが、3月には1170ドル前後(約18万6348円)まで急騰し、ほぼ2倍になった。中東依存度の高いナフサ分解施設では稼働率が60~65%に低下し、エチレンやプロピレン、各種プラスチック樹脂(PE・PP・PET)の原価も一斉に上昇している。

プラスチック樹脂は、食品容器や配送用パッケージ、化粧品や医薬品の容器に使われる基幹素材だ。このため影響は製造業にとどまらず、外食、配送、電子商取引へと連鎖的に広がっている。

とりわけ中小企業への打撃は深刻だ。原材料価格が急騰しても納品単価に十分反映できず、採算の悪化が進んでいる。接着剤は50%以上上昇し、印刷インクやラップ、結束バンドなどの副資材も約20%値上がりした。一部では品不足も起きている。

外食業界や配送業界では、包装資材は単なる変動費ではなく、固定的な必須コストに近い。容器や袋、カトラリーは注文ごとに必要となるため、単価がわずかに上がるだけでも負担は積み上がる。中小のEC事業者も、梱包資材費の上昇によって利益の確保が難しくなっている。

こうした状況を受け、中小企業支援を担う中小ベンチャー企業省は、従来の対策チームを「非常経済対応TF」に格上げし、被害状況をリアルタイムで点検する体制を整えた。

政府はあわせて、原材料価格の変動を納品価格に反映させる「納品代金連動制」について、プラスチック容器取引を対象に違反の有無を職権で調べている。価格交渉力の弱い中小企業に負担が偏っていないかを重点的に検証する方針だ。

さらに大企業との協力体制も築き、原材料価格の上昇分の反映、代金の早期支払い、納期遅延時のペナルティ緩和などを盛り込んだ共生協約を推進する。共同購買支援や緊急資金の供給、特例保証も並行して進める。

ただ、業界では原材料そのものの確保が難しく、供給が必要量の半分程度にとどまるケースもあるとの声が出ている。ホルムズ海峡を巡る不安定な状況が長引けば、生産停止や価格急騰が現実味を帯びる可能性もある。

中東発の「三重ショック」は、もはや特定業種だけの問題ではない。製造から流通、消費までを貫く供給網全体の揺らぎとして、韓国の実体経済に影を落としている。

(c)news1

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