2024 年 9月 17日 (火)
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韓国でタブー視されてきた「定年延長」議論、本格化するか

ソウル西部雇用福祉プラスセンターで、仕事に関する情報掲示板を見る市民ら(c)news1

韓国政府が「満60歳定年」を延長する議論を本格化させようとしている。定年延長議論は若年層の働き口を奪いかねないという懸念から、これまでタブー視されてきた。だが、生産人口減少や高齢化が現実化したことで、表立った議論になろうとしている。

パン・ギソン企画財政1次官は先月14日の「人口危機対応タスクフォース(TF)3次会議」で「高齢者の継続雇用制度導入に対する議論を本格的に推進する」と表明したうえ「少子高齢社会委員会と協力し、人口危機に対応する重要課題を選定し、総合対策を確定・発表する」と明らかにしている。

政府はこの会議で60歳以上の継続雇用法制のための社会的議論を始め、これに基づき65歳以上の新規就業者に対する失業給与適用案を検討するとした。高齢層の雇用状況をより詳細に把握するため、経済活動人口調査の年齢区分も現行の「70歳以上」から「70~74歳」「75歳以上」に細分化する。

イ・ジョンシク雇用労働相は今月1日の新年の辞で「社会の財産である高齢者の経験をきちんと活用できるよう、定年延長、継続雇用、再就職など社会的議論を活性化する」と述べ、定年延長に言及した。

ただ韓国では、定年延長が青年層の雇用に影響を及ぼすという懸念が根強い。賃金が相対的に高い高齢層の定年を延ばせば、青年の就業に不利益を与えかねないという見方だ。十分な社会的合意のないまま延長に踏み切れば、世代間の葛藤に飛び火しかねない状況にある。

(c)news1

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