
韓国で未成年によるサイバー性暴力が急増している。背景には生成AIの悪用や軽い処分、断片的な性教育がある。
公益財団法人プルンナム財団によると、2024年のサイバー性暴力被害は2021年比で約4.8倍に増え、被害者の65.6%が自殺や自傷の衝動を経験した。これは性暴力被害者全体(44.8%)やその他の暴力被害者(38.0%)より高い数値となった。
ある女子高校生はディープフェイク映像で脅され売春を強要されたが、学校では被害を訴えても非難され、精神的な苦しみから自傷を繰り返している。
教育省は新たな基本計画でAIを活用した対策や支援体制の整備を打ち出したが、現場では法的対応の限界や処分の軽さが問題視されている。ソウルの中学校では、ディープフェイクを用いた加害生徒との分離が7日間しか認められず、その後も同じ教室で顔を合わせていた事例が報告された。
専門家は、加害行為が技術の発展で容易になったことや、被害者が二次被害を恐れて声を上げにくい状況を指摘。性に対する感受性が低い教員による不適切な対応が傷を広げるとも批判された。
現行の性教育も暴力防止に偏り、「良い関係性を築く教育」が欠けているとして、権利意識を育む教育への転換が求められている。
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