韓国で「ファンシューマー」(Fun+Consumer)をターゲットにしたゲームと酒類業界のコラボレーションが増えている。ファンシューマーとは、物を購入する際に楽しさを追求し、SNSで消費経験を積極的に共有するMZ世代(1980年代半ば以降に生まれた層)を指す。酒類業界は、購買力を備えた20~30代のゲーマーに新製品を広報でき、ゲーム会社は新たな口コミでゲームに対する関心を喚起することができると互いに評価している。
韓国のコンビニCUはこのほど「サドンアタック・ポン・クリームエール」ビールを発売した。国内で品薄現象を起こした「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」のように缶の蓋全体を開けて、豊かな泡を楽しむビールだ。CUは缶蓋を開ける時に、オンラインFPS(1人称銃撃ちゲーム)「サドンアタック」の手榴弾のような「ポン」という音がするようにした。音の大きさは90~100デシベルだという。
CUは今回の製品を企画し、韓国のオンラインゲーム会社ネクソンに先に協業を提案した。ネクソンのロングセラーである「サザンアタック」は20~30代も慣れているからだ。両社はビール購入時にゲームアイテムをもらえるクーポンイベントも進行する。
ゲーム会社「パールアビス」も先月、マッコリ「黒い砂漠マッコリ」を発売した。もともと「黒い砂漠」は多人数が同時に参加できるオンラインRPG。マッコリは40代以上が楽しむ「おじさん酒」ではなく、最近は20~30代も楽しむようになったことに目を着けた。
マッコリ購入時にPCやモバイルで使えるクーポンも提供する。パールアビス関係者は「利用者にゲーム以外でも面白さと特典を提供するためコラボを進めている」と話した。
中世を舞台にしたRPG「リネージュ」の焼酎やワインもある。オンラインゲーム会社NCソフトが歌手パク・ジェボムと組んだ「WONSOJU(ワン焼酎)クラシックリネージュWエディション」3種は7カ月で約172万5000本が販売された。このゲームに出てくる用語を冠したポップアップストア「血盟員」には1日平均1000人以上が訪問し、4日で限定版1万5000本が完売した。ワンスピリッツ関係者は「両ブランドともファンダムが強固で30~40代の絶対的支持を受けている」と分析した。
ネクソン関係者は「日常で簡単に接することができる製品と協業すればゲーム以外へのブランディング効果が大きい」と説明し、「協業製品にゲームで使えるクーポンが含まれているため、新規よりは既存の利用者が好む傾向にある。ゲームをしばらく休んでいる休眠ユーザーの復帰にも役立つ」と付け加えた。
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