2025 年 11月 29日 (土)
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韓国でも10代のSNS利用を制限する必要があるのだろうか…「賛成」vs「反対」

AI生成画像(c)KOREA WAVE

10代の青少年によるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)への過度な依存に伴う副作用が、韓国社会のあちこちで現れている。世界各国では、今からでも問題を食い止めようと防止策を講じる動きが起きている。

有害コンテンツによる危険性や過度な没入の問題が浮上し、一部の国では青少年のSNS利用を全面的に遮断する措置を取っている。こうしたニュースを受けて、韓国でもより強力なSNS利用制限措置を取るべきだという声が上がっている。

これに関連して、国内のSNSプラットフォームにおける青少年のオンライン保護政策について、NGOや心理学・法律の専門家は、遮断だけが解決策ではないとの立場を示した。一方で、教育学の専門家は、ある程度の制限は必要だという見解を示した。

韓国メディアパネル調査による世代別SNS利用率。左から全体、Z世代、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーム世代(c)KOREA WAVE

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ソリン記者の取材によると、2024年末、共に民主党のユン・ゴンヒョン議員は、満14歳未満の青少年によるSNSへの加入を拒否する情報通信網法改正案を、国民の力のチョ・ジョンフン議員は、満16歳未満の青少年のSNS利用時間を制限する法案を、それぞれ発議したが、いずれの案件も国会で係留中だ。

韓国情報通信政策研究院による「韓国メディアパネル調査」によると、韓国のZ世代(満9~24歳)のSNS利用率は2021年には72.6%、2022年には78.3%、2023年には87.2%と年々上昇している。

国内で青少年のSNSアクセス制限に関する議論が停滞している一方で、オーストラリアは12月10日から満16歳未満の青少年によるSNSの利用を禁止することを決定した。ニュージーランドやデンマークの政府も、15歳未満の子どもたちによるSNSアクセスを禁じる政策を進めており、マレーシアも16歳未満の青少年によるSNSアカウントの使用を来年から禁止する措置を実施する。

韓国国内では、SNSプラットフォーム各社が個別に青少年のオンライン安全を確保するための政策を運営している。現在、SNSプラットフォームは、保護者が10代のSNS利用を管理できるよう「青少年アカウント」を運用したり、ホットラインを設置したり、利用時間を制御する方式で青少年を保護している。

学校の授業の資料写真=ClipartKorea(c)KOREA WAVE

◆強制的な規制は「毒」になる可能性

非政府組織(NGO)や心理学者は、SNSプラットフォーム企業による対策をどう評価しているのだろうか。彼らは、青少年のSNS利用を制限することだけが最善の解決策にはならないという見解を示した。

ソウル大学心理学科のクァク・グムジュ教授は「過度に強制的な制裁は、かえって反発を招く可能性がある。家庭でゲームを禁止するとPCバン(ネットカフェ)に行くように、一方を塞げば他方に回避する可能性がある」と指摘した。

特に、青少年のSNS利用を強制的に禁止することは、IT環境が高度に発展した韓国の実情には適していないという評価が出ている。

TikTokと青少年保護政策で協力している「青い木財団」のチェ・ホンソ主任研究員は「韓国は世界で最も速いスピードで青少年がデジタルリスクにさらされる国の一つだ」としながらも「禁止を中心とした対応ではなく、現場に根ざした統合的な安全エコシステムを構築することが、最も効果的で現実的な解決策だ」と助言した。

TikTok=Pixabay(c)KOREA WAVE

◆青少年のSNS政策は、被害者の回復と安全意識の主体化が「先」

むしろ国内では、高度化したIT環境を活用する方法が、オンライン上で青少年の安全を確保するうえで効果的だという提言も出ている。

「青い木財団」は、政策やガイドラインの改善、ホットラインによる迅速なコンテンツ削除、被害者の回復支援、そして青少年自身が担い手となる安全文化の拡散を一体化した「K-青少年安全パートナーシップモデル」を提示した。

専門家は、SNSプラットフォームが個別に実施する青少年保護政策に加え、プラットフォーム同士の協力や、青少年自身が自ら制御できる文化の確立を促している。

韓国女性弁護士会の児童青少年特別委員長であるソ・ヘジン弁護士は次のように強調する。

「SNS上で問題となるコンテンツは、メディアを巧みに使う能力が他人を苦しめる方向に使われた例だ。そういったコンテンツが問題になり得るという教育が同時に進められる必要がある。青少年の意識改善にまず重点が置かれるべきだ。SNSプラットフォームごとに政策が異なるが、共に議論を進め、共通して適用できるガイドラインを整えることが必要だ」

◆教育学者「一定の規制は必要」「政策整備も必要」

ただ、教育学の専門家は、成人と青少年のSNS利用に対しては差別化されたアプローチが必要だとしながらも、一定の規制は必要だと述べている。

東国大学教育学科のチョ・サンシク教授は「韓国は“デジタル強国”というスローガンのもと、IT政策が優先されるという言説が根強い国だ。そのために、やむを得ず青少年のSNSアクセスに対する配慮が不足し、彼らが危険に無防備な状態でさらされてきた」と指摘した。

SNSアクセス政策については「成人と青少年にはそれぞれ異なる、差別化された政策が必要だ。保護者の身分を盗用してアクセスすることもできるため、不適切なコンテンツへの追加的な接触を遮断する装置が求められる」と述べ、「一部の規制は必要だ」と付け加えた。

青少年のSNS利用を制限するために、政府がより積極的に政策を整備すべきだという声も上がっている。

光州教育大学教育学科のパク・ナムギ教授は次のような見解を示した。

「規制がないまま過度にSNSが利用されており、韓国でも満15歳以下の青少年のSNS使用を強く制限する必要がある。これはSNSプラットフォーム企業が協力しなければ実現は難しく、彼らが責任を持って青少年アカウントを管理・監督すべきだ。企業が協力するようにするには、法的に規定を設ける必要がある。家庭や学校での教育によって制限するには限界がある」

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